J中断期間が判定ミスを誘発? オフサイドがゴール認定、識者が“原因”指摘「確実にあった」
川崎DF谷口、鹿島戦での先制点がオフサイドではないかと話題に
J2とJ3が6月27日、J1が7月4日からそれぞれ再開・開幕した。しかし、J1では中断前に採用されていたビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)が再開以降の使用は見送られることとなった。DAZNで配信される『Jリーグジャッジリプレイ』もJ1再開に伴い、7日に配信を再開。そのなかで、SNSで最も話題となったシーンも取り上げられている。
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対象のシーンは、J1第2節、川崎フロンターレと鹿島アントラーズとの一戦の前半2分に発生した。川崎が左CKからつなぎ、MF家長昭博がゴール前へボールを入れると、右サイドから走り込んだDF谷口彰悟がダイレクトで右足を合わせてゴールイン。ただ、谷口のポジションがオフサイドではないかとの声が多く上がった。結果的に試合では得点が認められたわけだが、番組に出演していたFIFA・AFC・JFA審判インストラクターの深野悦子氏は「オフサイドの反則でした」と判定の間違いを認めた。
オフサイドは競技で使える身体の部位が対象となる。この時の谷口に関して言えば、上半身が完全にオフサイドラインを超えていたことが、リプレイの映像で明らかだった。ただ、深野氏は審判団のミスを認めたうえで、約4カ月の中断期間の影響も大きかったと指摘している。
「(試合勘などの問題は)確実にあったと思います。フィジカルの準備はできても、ナイトゲームで照明も入って久しぶりに見ると本当に(プレースピードが)速く感じたと思います。開始早々で目も慣れていない状況で…。ミスはミスですけれども、ミスの前にこういう状況でサッカーに触れることができなかったというのはあったなというふうには感じています」
Jリーグ副理事である原博実氏もこの件に関して、イレギュラーな状況で再開されたJリーグについて言及した。
「難しい条件が重なったのは事実だと思います。それも含めて今年はいろいろあるんですけど、審判にもやはりミスはある。そのなかでみんなにJリーグを観ていってもらわないと、というふうには思いますね」
毎年、シーズン前には多くの練習試合等で実践を重ねて準備しているJリーグ担当のレフェリーたち。プロとして活動する審判員、プロフェッショナル・レフェリー(PR)はほんのごく一部だ。数多くの審判員は、副業で試合を吹いている。そうしたなか、新型コロナウイルスによる約4カ月間のJリーグ中断が与える影響は、想像よりもはるかに大きかったのかもしれない。