ACL日本勢が痛恨の黒星スタート J王者広島の主将「力がない」
アジア王座奪還へ、厳しい現実
ホームで勝ち点ゼロに終われない広島は、その後ケガから復帰したMF野津田岳人も投入して相手ゴールに迫ったが、後半45分に放った千葉のヘディングシュートが相手GKのファインセーブに遭うなどゴールをこじ開けられず、タイムアップの笛を聞いた。
広島は2010年のACLでも山東と初戦で対戦し、0-1で敗戦した苦い記憶がある。チームはそのリベンジを果たせず、再び悔しさにまみれる結果となった。主将の元日本代表MF青山敏弘は、試合直後のインタビューで「力がない。そういう初戦でした。今すぐは難しいんですけど、みんなで反省していきます。まだ1試合終わったばかりなので、下を向いている暇はないです」と反省の弁を続けた。
一方、プレーオフでチョンブリ(タイ)を9-0で撃破し、本大会に出場したFC東京は、敵地で全北現代(韓国)と対戦。1-2で敗れたが、アクシデント続きの船出となった。韓国代表MFハ・デソンが試合前日に右ふくらはぎを負傷し、欠場を余儀なくされた。この日も前半21分で、元日本代表DF駒野友一も負傷交代となった。
そして苦しい状態で迎えた前半39分に均衡を破られてしまう。中央を突破され、右サイドに振られると、そこからFWコ・ムヨルにゴールを許してしまった。
後半38分には、エリア内でパスを受けた韓国代表FWイ・ドングクに右足でコースを突かれ、追加点を奪われた。同42分に新加入のFW阿部拓馬が一矢報いたが、城福浩監督にとっては苦い敗戦となった。
07年に浦和レッズが、08年にG大阪がACLを制覇し、アジアサッカー界での覇権を握ったJリーグだが、それ以降アジアでは苦しい戦いが続いている。一方で、資金力に優れる中国は欧州リーグでプレーする有名選手を次々に獲得。相場よりも遥かに高い移籍金で”爆買い”を続けており、一気に台頭してきている。Jリーグの強さを改めて示すチャンスとなるはずのACLで、日本勢は厳しい船出となった。
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サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images