元J優勝経験DF増川、第二の人生スタート…児童発達支援に励む現在 「事実上引退」

引退後は児童発達支援の事業を運営している増川隆洋【写真:本人提供】
引退後は児童発達支援の事業を運営している増川隆洋【写真:本人提供】

【増川隆洋インタビュー|第1回】2010年に名古屋でJ1優勝経験、昨季限りで「事実上引退」

 名古屋グランパスでJ1リーグ制覇を経験したDF増川隆洋は、昨季限りでJ2京都サンガF.C.との契約が満了した。現在は家族とともに福岡県に住み、「児童発達支援」に励んでいる。昨季までは現役選手としてプレーしていた増川が、「Football ZONE web」のインタビューに応じ、現在の生活や名古屋時代などの思い出を振り返った。

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 2003年にアビスパ福岡でキャリアをスタートさせ、05年に名古屋に移籍。10年にはドラガン・ストイコビッチ監督の下、元日本代表GK楢﨑正剛やDF田中マルクス闘莉王と最強の牙城を築き、J1優勝に貢献した。13年まで在籍し、14年にはヴィッセル神戸へ移籍。16年に北海道コンサドーレ札幌、18年からは京都でプレーした。だが、40歳となった昨季限りで契約満了となり、そのまま20年シーズンが開幕した。

「僕はどうしたんだって思っている方もいるのかな。現状はプレーしていないですし、事実上引退みたいな感じなので、発表しなければ、という時に新型コロナウイルスの影響があったりした。僕自身、需要がなければ終わりだとずっと思っていたので、そういう(引退という)時期が来たのかなと思います。プロのレベルでもう1年トライできると、胸を張って言えるかというとそうではない。客観的にも主観的にも……。難しいところは多いし、線引きはしなければいけないのかな」

 現在は、福岡県大野城市で児童発達支援の事業を運営。「子供たちをサポートする仕事をしている」という日々だという。事業に関する知識を蓄えながら、経営の勉強も進めている。実は現役中だった昨年から事業をスタートさせていたという増川。お絵描きや手遊びなどを通して、子供たち個々に合わせてプログラムを作り、集中力を高めたり、能力を引き出している。

「僕の年齢的に去年40歳になる年だったので、次のステップで何かやらないといけないというなかで、こういうことをやらないかという話をもらったので、やってみようかなと思った。自分も考えるきっかけになるかなと思って、分からない部分も多いけどまずはやってみようというところで始めました」

 現在は練習もしておらず、復帰の目途はない。もっとも、「事実上の引退」という形になったため、現役生活にはやはり未練もあったという。

現役生活には未練を感じつつ、新たな道を歩み始めている【写真:Getty Images】
現役生活には未練を感じつつ、新たな道を歩み始めている【写真:Getty Images】

断ち切れない思い…「すっぱりやめるというふうにはなれなかった」

「すっぱりやめるというふうにはなれなかった。サッカーをするのが好きですし、やっていたいという気持ちはやっぱりいつまでもある。まずは今の仕事がメインになるとは思っている。サッカーから全く離れてとは考えていない。何かしらサッカーには携わっていたいなという気持ちはある。どういう形かは分からないが、いろんなチャンスがあればやりたい」

 サッカーへの思いも持ちながら、周囲に感謝して新たな道を歩み始めた増川。子供たちと関わりながら、自身の可能性も探っていく。現役選手としては事実上、一区切りだが、17年間のプロ生活で得たものは何よりも大きい。これからは未来の“宝”へ、大きな経験を伝えていく。

(FOOTBALL ZONE編集部・小杉 舞 / Mai Kosugi)



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