【THIS IS MY CLUB】浦和で戦う「責任と覚悟」 阿部勇樹が大きな影響を受けた2人の選手とは?

浦和で活躍した平川忠亮(左)と坪井慶介【写真:Getty Images】
浦和で活躍した平川忠亮(左)と坪井慶介【写真:Getty Images】

未来の浦和を担う若手へのメッセージ 「満足したら終わってしまう」

「浦和でプレーする以上、いろいろなものを背負ってじゃないけど、大勢のサポーターの気持ちも背負って戦わないといけない。責任と、あとは覚悟。このチームでやっていく覚悟、背負っているものを投げ出さないでチームのために戦うことですよね。その覚悟が数試合あったとしても、1年間を通じてその気持ちで浦和のために戦えるかで言えば、まだの選手もいると思う。そういうことは少しずつ話をして、『だから浦和レッズというのはこうなんだよ』と伝えていかないといけないのかな。

【注目】白熱するJリーグ、一部の試合を無料ライブ配信! 簡単登録ですぐ視聴できる「DAZN Freemium」はここから

 プロになって試合に出るようになれば周りの目が変わって、状況が変わると思う。それをどう感じるのか、ですよね。当たり前にそうなったのではなくて、頑張ったからそうなったのだから、満足したら終わってしまう。その選手の目標がそこなら良いんですけど、レッズにいる選手はそこが目標じゃないはずだと思っているから。現状に満足しないこと。活躍して海外を目指す選手もいるはずだから、追い込んでモチベーションを持っていくことも必要だと思う。そういう気持ちのコントロールもできるようになってほしい。最初からできるとは思わないけど、1日1日、普通ではなく、いろいろなものを発見してほしい」

 こうして現在の在籍選手たちに対して、少し厳しさもある言葉を残す阿部だが、その一方でかけている期待も大きなものだ。

 例えば、今季開幕前に沖縄県で行われたトレーニングキャンプでは、一次キャンプで浦和ユース所属で2種登録されたGK鈴木彩艶、二次キャンプで青森山田高校から加入のMF武田英寿と同部屋だった。9月に39歳の誕生日を迎える阿部から見れば、親子でもおかしくない年齢の2人について「普段通りにしてと言っていたけど、気を遣っていましたね」とほほ笑んだ。そして、彼らを含む次世代の浦和を支えていくべき存在、期待する存在として名前を挙げたのだが、そこには「僕はそうなっていったほうが良いと思うので」と話す共通点があった。

「多くいますよ。橋岡(大樹)、荻原(拓也)、武田、彩艶、石井(僚)、柴戸(海)、岩武(克弥)、伊藤(涼太郎)と。いっぱいですよ」

 その共通点こそ「みんなプロのキャリアをレッズで始めた若い選手ですね。こういう選手たちがガムシャラにやるからこそ、チームの上の世代の選手に刺激を与えて競争が生まれて、チームが大きくなりますから」ということ。阿部は千葉から移籍加入し、今では浦和の選手というイメージが非常に強くなっているが、影響を受けた先輩として挙げた平川、坪井の両者が浦和の“生え抜き”であることを考えれば、そうした選手の存在がいかにクラブにとって重要なのかを感じ取ってきたと言えるのかもしれない。

page1 page2 page3

今、あなたにオススメ

トレンド

ランキング