元日本代表DFが語る“マッチアップしたメッシ”の凄み 「ラグビー選手と対峙する状態」
メッシとのマッチアップは「ボールを手で扱っているような、ラグビー選手と対面しているような状態」
そのなかでも、やはり度肝を抜かれたのはメッシだったという。この試合でシャドーに入っていたメッシと対峙する局面が何度もあったが、「ボールが足から全く離れないのが特徴的だった。敵が間合いを詰めて足がすぐ出るところにボールを置いているんで、取れると思った瞬間に逆を突かれてしまう。誘われてしまうんですよね」と、緻密なタッチのドリブルが印象的だったと語っている。そしてマッチアップしたメッシには、まるで“サッカー選手ではない”感覚を覚えたようだ。
「感覚で言ったら、ボールを手で扱っているような、ラグビー選手と対面しているような状態。でも、当然サッカーは手を使ってはいけないわけだから、手でボールを持っている相手から足だけで奪わないといけないみたいな、そんな感じでした。この間合いだったら取れるなという場面が何度かあって、一歩踏み出した瞬間に逆を突かれて届かない場所にボールを置かれたりだとか。足では非常に難しいことでも、手であればできる。メッシがやっていることは、そういうことなんですよ」
どんな名手でも、トップスピードでドリブルをする際は足下からボールが離れてしまうものだ。守備陣にとってはそこが奪いどころになるわけだが、メッシの場合は文字通りボールが足に吸い付いているかのようだったという。
「メッシのドリブルはボールを手で持ちながら走っているようなもので、ラグビーはタックルが許されるけど、サッカーではそれすらできないんだから、そりゃ取れるわけがないですよね(笑)」
栗原はメッシとマッチアップした数少ない日本人CBだが、肌で感じた凄みは今もなお色褪せてはいないようだ。