【THIS IS MY CLUB】浦和「3年計画」と“一貫したスタイル”の確立へ 土田SD「“オシリが浮く”サッカーを…」

「ピッチと観客席で同時にスイッチが入るようなサッカーをしたい」

 03年にハンス・オフト監督の下で初めてタイトルを獲得した浦和は、翌年からギド・ブッフバルト監督が率いて3シーズン連続でタイトルを獲得。その黄金期には「速く、激しく、外連味なく」というワードがあり、堅守速攻型のイメージが色濃かった。

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 一方で、12年から指揮したミハイロ・ペトロヴィッチ監督の下でもタイトルを獲得したが、方向性は全く異なり、敵陣に人数をかけたポゼッション志向のもの。その後に天皇杯を獲得したオズワルド・オリヴェイラ監督のチームは、再び堅守を武器にしたものだった。確かに、一貫したコンセプトのなさはタイトルという実績とは別にして、常に話題にされてきた。

 そうしたなかで土田SDは一貫したものを打ち出すべく、設定したコンセプトについて言葉をつないだ。

「浦和らしいサッカーってなんなのかと考えた時に、勝てばすべてOKではないと思っているんですね。あの埼玉スタジアムで、どういうサッカーで喜ばせられるのか。サッカーをよく理解している人が観に来る雰囲気の中で、どういうスタイルが良いのかという時に、イスから自然に『ガタッ』とオシリが浮くような。そうやってピッチと観客席で同時にスイッチが入るようなサッカーをしたい、やるべきだと思っているんです。ということは、スピード感や攻守の切り替えが必要。ボールを奪ったところから一気に数的優位を作って、最短でゴールに迫るプレー。そういうサッカーが、一番オシリが浮くと思うんですよ」

 一貫したコンセプトの策定という点で、ある意味ではどのサッカークラブにもあって然るべきものながら、これまでの浦和になかった部分に土田SDは踏み込んだ。では、次に重要なのはそれをどうやって実現するかだ。実際に、強化責任者に就任したタイミングは「選手の入れ替えに関してはスムーズにいかないタイミングでした」と話したもの。今季に向けた新加入選手は、移籍加入ではJ2アルビレックス新潟から獲得したFWレオナルド、大分トリニータへの期限付き移籍から復帰のMF伊藤涼太郎、2月にオーストラリアのメルボルン・ビクトリーから獲得したDFトーマス・デンの3選手のみ。青森山田高校から加入のMF武田英寿を合わせても、変革のシーズンを印象付けるものではなかった。そのうえ、昨季の成績から大槻毅監督の続投に疑問を呈す声も少なからずあった。

 それでも土田SDは「3年目からの逆算で見なければいけない。1年目の狙いはいかに浸透していくか。浦和を知っていて、ベースになる部分で大切な浦和の責任を理解している監督ということで、大槻が1年目の監督としては正しいと判断しました」と話す。

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