【THIS IS MY CLUB】浦和MF阿部、“谷間”と呼ばれたアテネ世代の矜持 「最後まであがいて頑張らないと」

かつて共闘した鈴木啓太氏(13番)らの引退には寂しさを感じるも…【写真:Getty Images】
かつて共闘した鈴木啓太氏(13番)らの引退には寂しさを感じるも…【写真:Getty Images】

今年で39歳、再び“満員”の埼玉スタジアムでプレーするために…

 阿部も今年9月に39歳の誕生日を迎える。現役を続けていることが簡単ではない年齢なのは誰もが理解するところだ。実際に、「この年齢だし、今年とか去年もいろいろと考えたりもしたので」とほのめかした。

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 前述した浦和でチームメートだった同世代の4人は、ここ数年で現役を引退。アテネ五輪予選や本大会でともに戦ったメンバーも、次々にピッチを離れている。「もちろん同世代が、アテネ五輪の世代が減っているというのは残念で悲しいですよ」と話す阿部だが、「だけど、新たなスタートを切ったなかで多くの人がサッカーに携わる仕事をしてくれているのが嬉しいし、やっぱりサッカーが好きなんだなって感じるんですよね」と、彼らの次のステージを応援している。そして「みんなの分まで、最後まであがいて頑張らなきゃいけないかな」とほほ笑んだ。

 阿部は2017年に、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)の優勝を満員の浦和サポーターで埋まった埼玉スタジアムで決めた後に、「あの真っ赤なサポーターが喜んでくれるのが、一番心に響くから」と話していた。現在の新型コロナウイルスの感染拡大により始まった社会情勢は、すぐにその風景が戻ってくることを妨げている。それでも「すぐは無理かもしれないけど、爆発させる機会は来るはずだから」と、ともに戦う“仲間”たちとの再会を信じている。

 だから、再びその光景の中でプレーするまで走るのを止めるわけにはいかない。「81年の残り組として頑張らないといけないからね」と言う阿部のプレーは、再開後のJリーグで画面を通してでも観る者の心を動かすはずだ。

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(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)



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