【THIS IS MY CLUB】阿部勇樹が語る浦和サポーターへの感謝と“責任” 画面越しに「表現していきたい」

無観客の会場で「聞こえなくても、拍手をしてもらっていると思ってやりたい」

 当然ながらリーグ再開直後のスタジアムには、その仲間が駆けつけることはできない。阿部は「実際にスタジアムで観るのと、画面で観るのは違うと思う」と、正直なところを話す。それでも「聞こえなくても、拍手をしてもらっていると思ってやりたい」と、その存在を感じながらプレーするという。そして、赤く染まったスタジアムが戻ってくる日を信じているからこそ、今はお互いに我慢しようとサポーターに呼びかけた。

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「これだけ大勢が入ったスタジアムでプレーするチームはなかなかないですよ。数多く試合をやってきましたけど、本当に毎回凄いと思う。慣れさせてくれないくらい熱いんですよ。一緒に闘うという部分で、みんなウズウズしていると思います。でも、すぐは無理かもしれないけど、それを爆発させる機会は来るはずなので。

 サッカーのない生活がつまらない、退屈という声も聞くし、スタジアムでそういうものを発散する方も多かったと思う。もちろん、早くそうなってほしいと思うけど、予防としてやらないといけないことがある。DAZNで観ていただいて、画面に向かってなら大声で叫んでも大丈夫だと思いますから(笑)。そして、マスクをしたまま応援するシミュレーションをしていただくのも良いですね」

 浦和の場合は2月の公式戦2試合を終えた後、一度は3月中に再開の目途があったため全体トレーニングを続けていた。しかし社会情勢は変化し、4月上旬にはクラブの活動を停止。緊急事態宣言も発令されたなかで、首都圏のクラブだけにトレーニングの再開も遅れた。それでも、急ピッチで再開へ向けた準備は進んでいる。

 過密日程となるのが確実ななか、各クラブとも総力戦になるのは明白。そうしたなかで、阿部の存在は浦和にとって間違いなく貴重で大きい。画面の向こうから送られる仲間からの思いを背中に感じながら、勝利を届ける責任と覚悟をピッチの上で見せてくれるはずだ。

(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)



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