初の“リモートマッチ”の印象は? J2東京V監督が言及「非常に不思議な感じ」「声が通る」
再開初戦で町田と1-1のドロー、永井監督が無観客開催について語る
J2東京ヴェルディは27日、新型コロナウイルスによる約4カ月の中断期間を経て開催されたリーグ第2節のFC町田ゼルビア戦に臨み、開始早々に1点を失うも後半アディショナルタイムに獲得したPKで追いつき、1-1で引き分けた。無観客のホームゲームで辛くも敗戦を免れたなか、試合後のオンラインによる記者会見に出席した永井秀樹監督は、初の“リモートマッチ”による公式戦を「非常に不思議な感じの試合」と振り返った。
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2月23日に開幕戦が行われたJ2リーグはその後、新型コロナウイルス感染拡大を受けて約4カ月中断し、この日再開初戦を迎えた。第1節で徳島ヴォルティスに0-3と敗れていた東京Vは、ホームの味の素スタジアムに町田を迎え、注目のダービーマッチ“東京クラシック”に臨んだ。感染防止のため、無観客での“リモートマッチ”となった一戦。元日本代表FW大久保嘉人、ブラジル人FWレアンドロがメンバー外となるなかでキックオフの笛を聞いたが、いきなり出端を挫かれる。
開始3分、町田MF平戸太貴に左45度から豪快なミドルシュートを叩き込まれて失点。その後は圧倒的にボールを支配して攻め込むものの、町田GK秋元陽太が守るゴールをなかなかこじ開けられない。敗色濃厚となったなか、後半アディショナルタイムにFW山下諒也がPKを獲得。これをMF藤本寛也が決めて土壇場で追いつき、辛くも勝ち点1を獲得した。
試合後、永井監督は「出会い頭に失点してしまい、我々のプランからすると想定外からスタートしたが、選手が自分たちのサッカーをやり通してくれた。その姿勢を90分間見せてくれて、一つPKでなんとか勝ち点1を取れた」と総括。今後に向けて「ボールを保持してからその先、昨年から引き続きのトライとなるが精度を高めていきたい」と、再開初戦でも露呈した崩しの部分での課題を指摘していた。
その一方で無観客開催について、「非常に不思議な感じの試合で、選手のモチベーションのところはどうなのかなど、いろいろと心配はしていたが、選手は前向きにやってくれた」と大きな影響はなかったと振り返った。また時折、スピーカーから録音されたサポーターの声援が流れることはあったが、静寂に包まれるなかでの公式戦となるなかで、「我々の仕事からすると非常に声は通るし、指示が直接伝わるので、そのやりやすさは感じながらやっていました」と明かした。
具体的な指示が筒抜けになるなど、リモートマッチならではの“駆け引き”も、今後はピッチ上で繰り広げられそうだが、選手側も「難しさより自分たちにとってプラスになることが多かった」(MF井上潮音)とポジティブに捉えている様子。もっとも永井監督は、「でもやっぱりというか、Jリーグはファン・サポーターの方に支えていただき、見ていただいてやるのが選手にとっても一番いい形なのかなとも感じながらやりました」と語っており、無観客の“リモートマッチ”開催への複雑な心境も覗かせていた。