【THIS IS MY CLUB】日本のバルセロナを目指して 今治社長が語る世界を見据えた新たな航海
2025年に「常時J1で優勝争いをするとともにACL優勝を狙う」目標に向け新ステージへ
愛媛県内の高校から東京大学へ進学し、卒業後は米金融大手ゴールドマン・サックス証券で営業マンとして働いた経験を持つ矢野社長。岡田会長の就任と同時に、未経験のサッカークラブ運営に携わってきたこの5年半は、「早いも早い、あっという間です」と笑う。
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「私は大変だったことは全部忘れる性格なので、しんどかったとはまったく思いません。素晴らしいご縁を頂いて駆け抜けてきた5年半でした。前職は朝6時には会社に行って、夜遅くまで頑張り、場合によってはお客様と会食をしてと、一日中ずっと働いている生き方でした。今は朝6時に会社に行くことはありませんが、起きた瞬間から社内の皆さんが書き込んでくれた内容をチェックしたり、岡田氏とのやり取りが始まって、起きている間ずっと仕事のことを考えています。そこにチームを昇格させる、スタジアムを建てるというミッションが加わり、『リアルサカつくですね』とも言われました。中高大とサッカーにお世話になった自分としては、こういう役職をさせて頂いていることに感謝しています。本当に楽しいですね」
5部相当の四国リーグから一つずつカテゴリーを上げ、念願のJリーグのステージにたどり着いた今治だが、これはあくまで新章のスタートに過ぎない。今治は「2025年に目指す姿」として、「常時J1で優勝争いをするとともにACL優勝を狙う」と目標を掲げている。
「(6月27日の)Jリーグ開幕戦は、FC今治にとって一度きりのイベントです。クラブ創設者から始まって、選手やコーチ、ファン・サポーターの皆様、パートナーの皆様に支えて頂いて、ようやくJリーグの開幕を迎えられます。関わって頂いた皆様に改めて感謝したいです。それと同時に、これはまだ途中、いやむしろスタートかもしれません。今年のキャッチフレーズには『新たな航海へ』を掲げています。これまでの5年半はJリーグという大きな海に向かって挑戦してきましたが、ここからはある意味で世界を見据えた話になる。私たちは『水軍の末裔が世界に向かって大海原に打って出る』をコンセプトにブランディングしてきました。ファンの皆様、パートナーの皆様、すべての関係者の皆様と世界に打って出るひと漕ぎを始めたいと思います」
「リアルサカつく」を地で行く今治が踏み出す、歴史的な一歩は大いに注目を集めるだろう。
※取材はビデオ会議アプリ「Zoom」を使用して実施。
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(FOOTBALL ZONE編集部・小田智史 / Tomofumi Oda)