【THIS IS MY CLUB】「サッカーの街:今治」が秘める可能性 最年長MF橋本英郎が見出した“やりがい”
「もっと高いレベルで戦わないといけないという感覚を持ってチャレンジしていきたい」
橋本にとって愛媛県は妻の故郷であり、クラブの岡田武史会長は大阪府立天王寺高の先輩とゆかりがあり、今治の地に導かれた。人口約15万人ながら、“サッカーの街”として今治には大きな可能性を感じるという。
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「JFLの段階でお客さんが4000人以上入って、5000人満員になるポテンシャルのあるチーム。街で声をかけて頂いたり、応援してもらっているんだと力を感じますし、新スタジアムの建設、地域密着の浸透も順調に進んでいます。地方都市の松本山雅が成功した例もあるので、今治も人口は少ないかもしれませんが、J3、J2、J1と上がっていってスタジアムも大きくなれば、同様の可能性を秘めていると思います」
ただ、岡田会長の存在が大きい分、チームの報道に関して自分たちの想像を超えたものも多いと橋本は胸中を明かす。
「存在が大きいからこそ、良い部分と悪い部分があると思います。注目してもらえる反面、チームとして動いているにもかかわらず、岡田さんの話がたくさん出てくる。これはヴィッセルも同じ傾向があると思います。楽天の三木谷(浩史会長)さんという存在がいて、チームと違うところで話題になる。チームの結果を岡田さんと直結させたり、そういう影響も考えると両面あるかなと。選手も慣れてきているので、そんなに気にしていないと思いますし、どちらかと言うと、監督やコーチのほうがプレッシャーは大きい気がします」
移籍1年目の昨季はシーズン序盤に故障もあり、JFLで20試合1得点にとどまった。新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛に伴い、アプローチを変えてヨガに取り組む時間が増えたという橋本。今年5月に41歳を迎えたが、最年長としてチームを引っ張っていく強い意志を覗かせる。
「シーズン開幕直後はチャレンジの感覚が強いと思いますけど、勝ったり負けたりしてリーグに慣れてきて、『J3はこんなもんか』と勘違いしないようにしないといけない。僕は昇格を目指したいので、J3で通用するからいいじゃなくて、J2に上がるためにはもっと高いレベルで戦わないといけないという感覚を持ってチャレンジをしていきたいです。
今後のキャリアは……そうですね。引退するタイミングは、正直どういう形が綺麗か見えないまま、今の年齢までやってしまっています(笑)。ゴール地点を上手く設けたいようで設けられていないのが現状です。とりあえず今の時間が限られたものだとは感じているので、そこをいかに楽しんで全力を尽くせるかを重視したいな、と。その先にいろんなゴールがあると思っています」
プロ23年目、橋本は今治とともにJ3の舞台を全力疾走する覚悟だ。
※取材はビデオ会議アプリ「Zoom」を使用して実施。
[PROFILE]
橋本英郎(はしもと・ひでお)
1979年5月21日生まれ。大阪府出身。173センチ・68キロ。大阪スポーツマンクラブ―G大阪ジュニアユース―G大阪ユース―G大阪―神戸―C大阪―長野―東京V―今治。J1通算339試合・19得点、J2通算80試合・1得点、J3通算19試合・1得点。日本代表通算15試合0得点。卓越した戦術眼と的確なポジショニングで攻守のバランスを整える中盤のコネクター。2019年に今治へ移籍し、経験豊富な最年長として“Jリーグ元年”のチームを牽引する。