独代表監督の“ベテラン冷遇”、スタッフが舞台裏を告白 惨敗の18年W杯で「若手と衝突」
ビアホフ氏がロシアW杯でのチーム内不和を明かす レーブ監督は「明確なサインを発した」
ドイツ代表のチームマネージャーを務めるオリバー・ビアホフ氏が同国メディアの取材に応じ、2018年ロシア・ワールドカップ(W杯)の際にチーム内で軋轢が生じていたことを明かした。
14年W杯王者として同大会に臨んだドイツだったが、グループリーグ初戦でメキシコに0-1で敗れてまさかの黒星スタートになると、続くスウェーデン戦には2-1で辛勝するも、韓国との最終戦を0-2で落とし、1勝2敗の成績で同国史上初のグループリーグ敗退という屈辱を味わった。
大会後、ヨアヒム・レーブ監督はFWトーマス・ミュラー、DFジェローム・ボアテング、DFマッツ・フンメルスのベテラン3人を今後は代表チームに呼ばないことを明言し、代表チームの再建に乗り出した。しかし、今季のブンデスリーガではミュラーがシーズン最多アシスト記録を更新したことに加え、ボアテングやフンメルスも質の高いプレーを見せていることから、彼らの再招集を望む声も出始めている。
しかし、ビアホフ氏はドイツ放送局「SPORT1」の番組「Doppelpass」でミュラーらの再招集の可能性について尋ねられると、「我々は代表チームを上手く組織しなければならない。ロシア大会の時、我々にはトップレベルの選手たちが揃っていたが、あの時すでに若手とベテランの間で衝突が生まれていた。選手たちは監督からの信頼について敏感に反応するものなんだ」と、監督の選手起用を巡ってチーム内で派閥ができていたことを告白。さらに「レーブ監督は若い選手たちに向かって、明確なサインを発した。私には、彼が明日いきなり自分の意見を変えるとは思えない」として、若手にチャンスを与えるという方針は今後も変わらないだろうと予想した。
「ボアテングやフンメルスが良いプレーを見せてくれていることは、私にとっても喜ばしいことだ。この2人をもう呼ばないというのは、当時のレーブ監督にとって簡単な決断ではなかったからね」とも語り、代表チームの功労者である両選手を気遣ったビアホフ氏。だが、指揮官が決断に至った経緯を知っているだけに、彼らベテラン選手たちのドイツ代表復帰の可能性は低いと考えているようだ。
(FOOTBALL ZONE編集部)