「楽しんでプレーしてほしい」 なでしこMF長谷川唯、高校生へのポジティブなエール
夢や目標を叶えるために大切にしていることは「楽しむこと」
一方で、今の長谷川を形成してきた要素についても質問が飛んだ。その一つが「夢や目標を叶えるために継続していることは何ですか」というもの。長谷川はこう答えている。
「練習はもちろんですし、自分の中では『楽しむこと』というのを一番大事にしています。例えば、今回はオリンピックが延期になってしまいました。自分の場合はそこを目標にしていましたが、たとえ(目標とした大会が)なくなってしまっても毎日の練習が楽しかったり、修正するところをみんなで話し合ってクリアしていくことが楽しい。楽しむことは本当に大事だと思います」
何事も楽しみながら取り組んでいく思考法を伝えた長谷川。「落ち込むことがほとんどないんです」とポジティブなパーソナリティーを明かしつつ、日本女子サッカーの未来を担う高校生たちにアドバイスを送った。
「目標や夢があるからこそ、『こうしたい』という気持ちがあるからこそ、落ち込まないのかなと思っています。できないことがあっても、どうしたら乗り越えられるのかを考えるのが楽しくて、できないからこそ考えるのが好きです。それは皆さんにもやってもらいたいなと思います」
約1時間のオンライン授業を終えて取材に応じた長谷川は、「なかなか話す機会のない高校生と話せて、自分にとっては楽しい時間になりました」と笑顔を見せ、「普段の生活の中でこういうことを実施していくのもいいのかなと感じました」と、“コロナ後”の継続にも思いを馳せた。そして、最後には高校生たちへのメッセージで締めくくっている。
「高校生ならではの熱い戦い、がむしゃらに頑張るプレーは人の心を動かせると思います。そういうプレーを意識しながらも、自分が楽しんでプレーしてほしいなと思います」
この日、長谷川のひたすらに前向きな言葉は、高校生たちにエネルギーを与えたことだろう。どんな時もひたむきに、楽しみながら進んでいく姿勢は、最高のお手本となったはずだ。
■オンラインエール授業 「インハイ.tv」と全国高体連がインターハイ全30競技の部活生に向けた「明日へのエールプロジェクト」の一環。アスリート、指導者らが高校生の「いまとこれから」をオンラインで話し合う。今後は男子サッカーの仲川輝人、女子サッカーの長谷川唯のほか、ハンドボール・宮崎大輔、元テニス・杉山愛さん、元体操・塚原直也さんらも登場する。授業は「インハイ.tv」で全国生配信され、誰でも視聴できる。
(片村光博 / Mitsuhiro Katamura)