「私はパワー系のスタイル」 INAC仲田歩夢、“原点回帰”に見据える9年目の進化
“悔しさ”の2019年を経て勝負の新シーズンへ「今年こそは、という思いが強いです」
なでしこリーグ(日本女子サッカーリーグ)1部のINAC神戸レオネッサはゲルト・エンゲルス新監督の下、攻守両面でアグレッシブなサッカーを目指す。2013年以来となる王座奪還を誓うなか、牽引役の1人として期待されるのが在籍9年目のMF仲田歩夢だ。
2018年、リーグ戦全18試合に出場して自己最多の5ゴールと充実のシーズンを送った仲田だったが、2019年は怪我の影響もあって後半戦はベンチスタートに回り、3年ぶりのノーゴールに終わった。それだけに、本人の新シーズンに懸ける思いは例年以上に強い。
「2018年シーズンは自分の中でも一番手応えを感じた1年だったので、去年は思うように試合に関われず、悔しさともどかしさを抱えていました。焦らないようにはしていますが、今年こそは、という思いが強いです」
昨季INAC神戸はリーグ総得点28、1試合平均1.56点にとどまり、優勝した日テレ・東京ヴェルディベレーザ(総得点59点、1試合平均3.28点)に大きな差をつけられた。女王の壁を超えるうえで得点力不足の解消は必須条件。4年連続得点王のFW田中美南(←ベレーザ)と中盤のマルチプレーヤーであるMF阪口萌乃(←アルビレックス新潟レディース)も加わったなかで、仲田はチームの変化を感じているという。
「田中美南選手は対戦していて一番嫌なタイプのプレーヤー。最初に移籍を聞いた時はびっくりしました。でも、間違いなく戦力になるし、ポジションは違いますけど競争が激しくなる予想もできたので、ワクワク感がすごくありました。(阪口)萌乃さんも以前から話をする間柄だったので、コミュニケーションは自然と取れています。監督からは攻撃にも守備にも100%の力をかけられるようにと言われていて、攻守の切り替えがすごく大事になるので、そこは例年と違うかなという印象です」
主戦場とするサイドは昨季加入のMF八坂芽依が台頭し、新戦力の阪口も対応可能とあって、ライバルは多い。仲田はどのようにストロングポイントをアピールしていくイメージを膨らませているのか。
「左利きで、左サイドからのドリブル突破、左サイドからの角度のないシュートが自分の特長なので、そういうシーンは練習から増やそうと意識しています。今年は得点にこだわりたいですね。これまではシュートよりパスを選んでしまったり、周囲から呼ばれてそこに(パスを)出してしまいがちでした。もちろん状況に応じた判断が必要ですけど、イメージしたプレーを貫くことが自分に足りていない部分の一つかなと。打つと決めたら足を振り切る、自分が突破できると思ったら相手を抜き切るプレーをするんだという気持ちを持てたら、対ベレーザの結果も変わってくると思っています」