辛口イタリア人記者がセリエA開幕戦で活躍のミラン本田を称賛 “ただし”先発定着はこれから

 

一方で厳しい見解も

 

勝利への貢献を認めながらも、さらなる奮起を促す意見もある。「ガゼッタ•デロ•スポルト」のニコラ•チェーチェレ記者だ。

「よかったよ、なぜなら右足でゴールを決めることができたから。あのゴールはうまくいった。彼の利き足とは逆だった。でも僕はゴールを決めたからと言って、寛大な点はつけられない」とチェーチェレ氏は語り、「6.5」点という評価を与えた。これも十分過ぎる合格点だが、MOMクラスの採点だったフェデーレ記者とは格差が存在する。

「僕は厳しい、辛いかもしれない。でも、ちょっと試合からいなくなることが目についた。消える場面だ。わかるかい? アスリートとしてのコンディションの問題だ。まだフィジカル面の状態が十分ではないとみている」

 本田は移籍1年目の昨季よりも積極的にプレーに関与したように見えたが、「10」番を背負う男としてはまだ足りないのだろうか。

「3トップの連係はよかったよ。守備的な犠牲も払っていたし、よく守っていた」

 攻守の自己犠牲を求めるインザーギスタイルはしっかりと順守したと評価している。開幕戦でしっかりと結果を出した本田は、レギュラーの座を盤石なものにしたのだろうか。チェーチェレ氏の視線は、厳しさを帯びた。

「トーレスが入れば、難しいだろう。メネズが3トップの右に入ることになる。次の試合の先発は厳しいと思う」

 本田も結果を出したが、ポジションを争うエルシャラウィとメネズも同様に結果を出している。ミラン再生の旗頭とされるエルシャラウィの左サイドは、今後も揺るぎそうにない。メネズは本職ではない1トップの位置でセンスと技術を披露していた。そして、チェルシーから“エル・ニーニョ”の異名を持つトーレスがやってきた。親善試合で結果を積み上げ、開幕戦勝利に貢献したが、ポジションを確保した状態とはまだ言えないようだ。

 試合後、「もう決めたかった。何よりも決めたかったところで、本当に入って良かった」とほっとした本田だが、まだ何かを約束されたわけではない。今後も結果を積み上げて、アピールし続けることを期待したい。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

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