”資金力”に打ち勝つ”育成力” 第2のアヤックスと化したシャルケに迫る!
ライバルに差をつける目利き
メスト・エジル、マヌエル・ノイアー、ユリアン・ドラクスラー…、このドイツ代表が誇るワールドクラスたちの共通点は、全員がシャルケ04のアカデミー出身だということである。近年の育成力は、元オランダ代表のデニス・ベルカンプ、マルク・オフェルマルス、パトリック・クライファート、クラレンス・セードルフ、エドガー・ダービッツらを輩出した1990年代のアヤックス・アムステルダムのようにさえ映る。英「BBC」では、シャルケは次のアヤックスになれるのかと題して特集を組んでいる。
1億ポンド(約162億円)に上る才能の宝庫であるシャルケのアカデミーはどのようにして生まれたのか――。エジルらを指導したシャルケのU-19のコーチであるノルベルト・エルガート氏は、次のように語っている。
「大きな問題は、選手があまりにも早い段階で多くのプレッシャーにさらされることです。選手たちは学校にも通いながら次のステップに向けて質を上げていかなくてはいけないので、とても注意深く指導します。私たちは楽しさを教えなくてはいけません。楽しい、楽しい、楽しい。それは魔術師の言葉です」
シャルケのアカデミーは、才能の発掘にたけているが、それは挑戦でもあるという。
「私たちのスカウトはとてもいい働きをしているが、私たちの地域(ノルトライン=ヴェストファーレン州)はとても大きい。特にボルシア・ドルトムント、ボルシア・メンヘングランドバッハ、バイヤー・レバークーゼンのスカウトも優れている。私たちは選手たちを小さいクラブから特に早い段階で追っています。それをやらないと他のクラブに取られてしまいますからね。大体7、8歳の子どもです」