開幕戦ゴールの本田圭佑が思いを激白 「もう決めたかった。何よりも決めたかった」
「信じてやるしかなかったという意味では勝負だった。博打というか」
ACミランのMF本田圭佑が8月31日にホームで行われたセリエA開幕戦のラツィオ戦に3トップの右で先発し、貴重な先制ゴールを決めた。前半7分、左のスペースを突いたFWエルシャラウィから送られたパスを右足でダイレクトで合わせ、GKの股間を抜いた。ミランはその後、後半11分にMFムンタリが追加点、さらに同19分にFWメネズが自ら奪ったPKを決めて3-0とした。同22分にオウンゴールで失点したものの、3-1で快勝。大一番で最初にゴールをこじ開けた背番号10は勝利の立役者となった。
試合後、本田はどこか緊張した面持ちでゴールの瞬間を振り返った。
「なかなか開幕戦というのは慣れないですけど、それでも確実にいい準備をしてきたという自負は、良くないなりにも、そういう自負もあった。信じてやるしかなかったっていう意味では、勝負でしたよね、博打というか。実際、簡単な試合ではなかったですし、チャンスも少なかった中で、あの1本を外していれば、今日はゼロゴールだったわけで、あれを決めてなかったら、試合に勝っていたかも分からないし、そういうギリギリのところでの勝負を制することができたっていうのは、嬉しく思っています」
ブラジルワールドカップで日本代表が惨敗した直後はどん底だった。7月の北米遠征からミランに合流後もコンディションが上がらず、チームもギネス・インターナショナル・チャンピオンズカップで3戦全敗。得点1、失点10と参加8クラブ中でワーストの成績に終わった後は地元メディアから「お願いだ。本田から10番を剥奪してくれ」と批判された。
しかし、その後のバレンシア戦やTIMカップのユベントス戦で得点を挙げ、徐々に信頼を勝ち得た本田。ラツィオ戦の前日会見では今季からチームを率いるフィリッポ・インザーギ監督から「本田は重要な選手。とても技術の高い、プロ意識が高い選手。先発するか、途中出場かは分からないが、私は高く評価している。チームメートたちからも高く評価されている。ミランに彼がいてくれて嬉しい」と評価されていた。
その期待を裏切らないためにも結果が必要だった。
「もう決めたかったですよね。何よりも決めたかったっていうところで、本当入ってよかったです。キーパーの足にも当たっていたし」
待望の先制点の場面を、本田はそう振り返った。
しかし、試合内容に満足していたわけでない。