ニューカッスル買収問題、サウジ企業の”違法行為”発覚で中断か…英報道 「略奪を助長」
サウジアラビア企業のニューカッスル買収案が浮上も…いまだに承認されず
日本代表FW武藤嘉紀の所属するニューカッスルは今年4月にサウジアラビアの政府系ファンドによる買収案が浮上して話題となり、気の早いメディアが大型補強の噂を次々に報じた。しかし買収はいまだ承認されず、新たな金満クラブの誕生には至っていない。事態が進展しない複雑な事情の背景にはサウジアラビア企業による”海賊行為”があるという。英公共放送局「BBC」が報じている。
ニューカッスはサウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子がチェアマンを務める政府系企業「パブリック・インベストメント・ファンド」へ売却する動きを見せ、プレミアリーグの承認を得たとも報じられた。
売却額は3億ポンド(約405億円)と伝えられ、ニューカッスルは潤沢な資金を手にして大型補強に動くとの噂が次々に浮上。バルセロナからブラジル代表MFフィリペ・コウチーニョらスター選手の加入も取り沙汰されていた。
しかし、報道から数カ月が経った今もまだ正式決定には至っていない。BBCによれば、サウジアラビア政府が世界貿易機関(WTO)の定める法律違反に関与している可能性があるとして事態はより複雑な状況になっているという。
中東でのプレミアリーグ放映はカタールを拠点とする衛星放送局「BeIN Sports」が放映権を持っているが、サウジアラビアはカタールと国交を断絶している影響で同局による放送は禁止されている。
その代わりにサウジアラビアの「beoutQ」という放送局がプレミアリーグも含むサッカーの試合を放送しているが、これらは「BeIN Sports」の放送を違法に使用して映像を流す海賊版テレビだという。
サウジアラビア政府は一貫して否定しているが、「BeIN Sports」の最高経営責任者であるユセフ・アル・オバイドリー氏は違法行為に同政府が関与しているとしてニューカッスルの買収に反対。「(サウジアラビア政府)3年近くにわたってプレミアリーグ商標権の盗用や、(プレミアリーグの)クラブの放映権料収入の略奪を助長させた」と非難した。
同局の顧問弁護士を務めるデイビッド・スグデン氏も「サウジアラビアがスポーツの検知盗用を推進し、国際法を無視している間はスポーツの成長はない。みんなの利益のために変わることを願っている」と強く訴えかけている。
プレミアリーグの最高経営責任者であるリチャード・マスターズ氏はこうした買収阻止を求める声を受け、調査に乗り出し「十分に検討する」と述べていた。
交渉が暗礁に乗り上げているニューカッスルの買収問題。大型補強の話題で盛り上がっていただけに、ニューカッスルサポーターとしては肩透かしを食らったような状況だろう。果たしてクラブの買収は実現するのだろうか。
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(FOOTBALL ZONE編集部)