日本の悲劇は“名将の抗議”が招いた? 元豪州代表FW、ドイツW杯初戦の秘話を告白
2006年W杯日本戦でゴールを決めたアロイージ氏、当時の舞台裏を明かす
オーストラリアがワールドカップ(W杯)初勝利を飾った2006年ドイツW杯グループリーグ第1戦の日本戦(3-1)について、アジアサッカー連盟(AFC)公式サイトが特集記事を掲載し、そのなかで当時オーストラリア代表の一員としてピッチに立ち1ゴールを決めたFWジョン・アロイージ氏が、同試合でのエピソードを明かしている。
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オセアニア代表としてウルグアイとの大陸間プレーオフを制して32年ぶりの本大会出場を果たしたオーストラリアは、グループリーグ初戦でジーコ監督が率いる日本と対戦。序盤からFWマーク・ヴィドゥカやMFハリー・キューウェルらを中心に優位に試合を進めるが、先制点を決めたのは日本だった。
前半26分、MF中村俊輔が右サイドからゴール前にボールを送ると、飛び出したオーストラリアのGKマーク・シュウォーツァーがFW柳沢敦とFW高原直泰と交錯。日本側のファウルにも見えたが主審の笛は鳴らず、ボールはそのままゴールに吸い込まれ、日本が思わぬ形で先制する。グループリーグ突破のためには日本戦での勝利が絶対条件だっただけに、スタメンを外れていたアロイージ氏もベンチで試合を見守りながら「難しい状況に追い込まれた」と感じていたという。
後半に入っても日本の粘り強い守備の前に攻めあぐねていたオーストラリアは、後半29分にアロイージ氏を投入。前線の人数を増やして攻勢に打って出ると、同39分にゴール前での競り合いによるこぼれ球をFWティム・ケーヒルが押し込み、終盤で同点に追いつく。
しかし直後の同40分、ケーヒルがDF駒野友一を自陣ペナルティーエリア内でタックルによって倒してしまう。PK判定かと思わる微妙なシーンだったが、主審はファウルを取らなかった。この判定を巡っては試合後に、FIFA関係者が「主審のミス」と発言したと報じられるなど、同試合の勝敗を分ける決定的な場面となった。
アロイージ氏も、この場面について「あれはペナルティーキックに値するものだった」と振り返るが、同氏にはレフェリーがPKを与えなかったジャッジに思い当たるふしがあるようだ。