元バルサFWアンリが明かす、衝撃のCL決勝秘話 「ヒザが曲がらない状態だった」
娘の誕生日に行われた特別な一戦、「しっかりスプリントすることもできなかった」
バルセロナは2009年のUEFAチャンピオンズリーグ(CL)決勝で、マンチェスター・ユナイテッドを破り、通算3度目の欧州王者に輝いた。この試合にバルセロナの一員として出場していた元フランス代表FWティエリ・アンリ氏は、クラブに偽って負傷を押して出場したことを明かした。スペイン紙「スポルト」が伝えている。
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ローマで開催された決勝では、元カメルーン代表FWサミュエル・エトオとアルゼンチン代表FWリオネル・メッシがゴールを決め、バルセロナが2-0で勝利した。
「負傷を抱えてプレーした試合の数は忘れたけれど、あの決勝は私にとって、とても特別だった。人々は知らないかもしれない。でも、あの日は私の娘の誕生日で、僕はみんなが知っているように、CLで優勝したことがなかった」と、特別な日の一戦を振り返った。
そして「僕は戦うために来ていた。そして、6つ目のタイトルを取ろうとしていた。でも、僕は膝を曲げられないような状態で、しっかりスプリントすることもできなかった。それでも単純に、プレーしないといけなかったんだ。プレーできる状況だったか? そうではなかったと思う。チームの助けになったか? そう願うよ。とにかく僕は、あそこにいたんだ」と、万全とは遠い状態でピッチに立ったことを明かしている。
アンリ氏は「僕は可能な限り、全力でプレーした。クラブには『いけるか?』と聞かれて、僕は『イエス』って答えていたからね。『OKではない』ということは、絶対にできなかった。そういうものだからね」と、自身の持っていた罪の意識を告白した。
欧州王者になったこの時のチームは、今でもファンの間で語り草となっている。「人々は今でも2009年のバルサについて語っている。私は歴史の一部になれたことを、とても嬉しく思っているよ。僕はCLに勝つことができたし、僕にはそのタイトルが欠けていた。月にも上る気持ちだったし……ついに!という感じだったね。同時に私にとってのエンディングのようだったから、不思議な気持ちだったよ」と、10年以上前のことを振り返った。
翌2009-10シーズンは低調なパフォーマンスに終わったアンリ氏は、そのシーズン後にアメリカのニューヨーク・レッドブルズに移籍。2014年を最後に現役から引退した。ベルギー代表のアシスタントコーチ、モナコ監督を経て、2019年からモントリオール・インパクトを率いている。