FC東京ナ・サンホ、城南FCにレンタル移籍へ 韓国メディア「確固たる地位を築けなかった」
正式決定すれば札幌から大邱FCに移籍したク・ソンユンに続く“Kリーグ復帰”
FC東京の韓国代表MFナ・サンホが、Kリーグ1部の城南FCに6カ月の期限付きで移籍すると韓国メディアが報じている。
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総合ニュースサイト「news1」は「ナ・サンホがJリーグのFC東京を離れ、Kリーグに帰ってくる。新天地は元韓国代表MFのキム・ナミル監督が指揮する城南FCだ。最終段階の手続きが問題なく完了すれば、クラブから公式発表があるだろう」と伝えている。
ナ・サンホはKリーグ2部の光州FCでプロデビューし、2018年はリーグMVPと得点王(16ゴール)を受賞。19年からFC東京に移籍し、リーグ戦25試合で2ゴールを決める活躍を見せるも、完全な主力とはなり得なかった。
また、「出場した試合は少なくないが、交代が多く、全体的な立場としては、定位置をつかめなかったというのが冷静な評価だ。当時、久保建英(マジョルカ)がスペインのラ・リーガに戦いの場を移し、チャンスが訪れると展望していたが、その後も確固たる地位を築けなかった」とし、レギュラーポジションを勝ち取れなかったことが移籍の理由の一つとも伝えている。
確かに今季のJリーグ開幕戦には出場できておらず、新型コロナウイルスの感染拡大で先行きが不透明のなか、母国チームへの復帰を模索していたのだろう。
キム・ナミル監督率いる城南FCも攻撃力強化を必要としており、韓国サッカー関係者の話では「ナ・サンホは、ウインガーとしても真ん中の2列目の攻撃の要としても貢献できる選手。それに6カ月の短期契約であれば、年俸の負担も半分にできることも移籍合意に至った点だ」という。
北海道コンサドーレ札幌から大邱FCに移籍したGKク・ソンユンに続いて、ナ・サンホが母国へ戻ることを決断。この流れは偶然だとは思うが、もしかするとJリーグ再開の遅れによって、韓国選手の気持ちが少しずつ、母国へ向かっているのかもしれない。
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(金 明昱 / Myung-wook Kim)
金 明昱
1977年生まれ。大阪府出身の在日コリアン3世。新聞社記者、編集プロダクションなどを経てフリーに。サッカー北朝鮮代表が2010年南アフリカW杯出場を決めた後、代表チームと関係者を日本のメディアとして初めて平壌で取材することに成功し『Number』に寄稿。2011年からは女子プロゴルフの取材も開始し、日韓の女子ゴルファーと親交を深める。現在はサッカー、ゴルフを中心に週刊誌、専門誌、スポーツ専門サイトなど多媒体に執筆中。近著に『イ・ボミ 愛される力~日本人にいちばん愛される女性ゴルファーの行動哲学(メソッド)~』(光文社)。