「日本のチームに行く話もあった」 オランダの英雄フリット、Jリーグ創設時の噂に言及
選手年俸の高騰にも意見 「多くの金額を貰い過ぎている選手がいる」
だが当時、“キック・アンド・ラッシュ”が主流だったイングランドで、ボールをつなぐことを望むフリットのスタイルは、受け入れられなかったという。
「問題は、私は当時のプレミアリーグであのポジションを務めるには、適していなかったんだよ。ロングボールがペナルティーエリア内に蹴られてくると、私はそれを胸でトラップして、そこから組み立てようと周囲を見渡すんだ。するとグレンに『ルディ(フリットの愛称)、ノー、ノー、ノー。君がやりたいことは理解できるよ。でも、他のDFが困ってしまうんだ』と、注意されたんだ。今のプレミアリーグのDFは、最終ラインから組み立てようとしているから、現在なら機能しただろうけどね」
その後、チェルシーで選手兼監督を務め、解任された後には、ニューカッスルを率いたフリット氏は、新型コロナウイルスによる被害拡大は、クラブが経営面を見つめ直すタイミングだと感じているという。
「私からすると、今のイングランドには、それほど上手くもないのに、あまりにも多くの金額を貰い過ぎている選手がいる。大スターが、大金を得るのはOKだ。でも、そこにかすりもしない者も、大金をもらっている。お金はプレミアリーグを良い意味で変えてきた。でも、こうした事態が再び起きて、現在と同じ金額を使い続けていれば、多くのクラブは破産するだろう。気を付けなければいけないし、やり方を変えるべきかもしれないね」
イングランドのサッカー界に、少なくない影響を与えたフリット氏。「イングランドに行ったことを少しも後悔していないよ」と言う彼が、もしJリーグに来ていたら、日本のサッカーの歴史も、また変わっていたかもしれない。