見たかファン・ハール! PSGディ・マリアが圧巻アシストでチェルシー撃破
思い出したくもないユナイテッド時代
自らがこだわる戦術に選手を当てはめていくオランダ人指揮官のスタイルには、これまで多くのビッグネームが苦しめられてきた。ディ・マリアもその一人で、仏地元紙「レキップ」のインタビューでは「(ユナイテッドで)起きたことを思い出すことはないし、思い出したくもない」と語るほど、ファン・ハール監督との溝は大きいものだった。
しかし、今季から所属するフランス王者PSGでは、リーグ戦で9得点を挙げるなど復調を果たした。ローラン・ブラン監督が4-3-3のインサイドハーフとして起用すると、ディ・マリアは水を得た魚のように生き生きとプレーしている。チェルシー戦では決勝点のアシスト以外にも、ダイナミックなドリブルでの持ち上がりやサイドに流れての正確なクロス、後半22分にはセーブに遭ったものの、際どい直接FKを蹴るなど攻撃のタクトを振るい続けた。
ディ・マリアがリーグ戦で記録した11アシストは、欧州主要リーグで堂々の2位。レアル・マドリード時代にコンビを組んだアーセナルのドイツ代表MFメスト・エジルの17アシストに次ぐ数字だ。
「デイリー・メール」紙は、「アンヘル・ディ・マリアはPSGでのフリーな動きの中で成功中。ルイス・ファン・ハールのマンチェスター・ユナイテッドで、彼が手にできなかった無条件の信頼の恩恵にあずかっている」と報じている。
自宅に強盗が入るなど散々だったプレミアでの雌伏の1年を経て、ディ・マリアは花の都パリで輝きを取り戻した。3月9日、チェルシーの本拠地スタンフォード・ブリッジでの第2戦で再び躍動すれば、サッカーの母国で再評価を受け、何よりもかつての指揮官の鼻を明かせるはずだ。
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サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images