過去の問題行動が影響? アディダス、エジルとの総額30億円のスポンサー契約終了か
今年で満了となる契約を更新しない方針と独紙が報道
世界的スポーツ用品メーカーのアディダスが、アーセナル所属の元ドイツ代表MFメスト・エジルとの間で結ばれていた個人スポンサー契約を延長しない方針であることが判明し、その理由を巡って同選手の出身国であるドイツなどで憶測が飛び交っている。
アディダスとエジルとのスポンサー契約は、2013年に締結された。契約料の総額が2500万ユーロ(約30億円)のビッグディールで、同選手の父であるムスタファ・エジル氏もメディアの取材に対して「アディダスはサッカー界でナンバーワンの存在であり、大きな影響力を持つブランドだ。息子にも合っている」とコメントするなど、周囲はこの契約によってエジルが名実ともに一流選手の仲間入りを果たしたと喜んだ。
しかし、ドイツ紙「ビルト」によると、アディダスは今年で満了となる本契約を延長しない方針であるという。契約解消の理由について、アディダスのスポークスマンであるオリバー・ブリュッゲン氏は「契約に関する交渉過程について公表する予定はない」として明言を避けており、さらにエジルのマネジメント会社もこの件については一切コメントを発表していない。
同紙では、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の影響で収益減少が避けられない状況のなかで、エジルとの高額なスポンサー契約がアディダスにとって負担になっていた可能性があるとしているが、エジルの過去の言動もアディダスの判断に少なからず影響を及ぼしたのではないか、と推測している。
エジルは2018年のロシア・ワールドカップ開幕直前にトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領を表敬訪問し、その時に撮影した画像をSNS上に公開した。すると、「個人の自由や権利を尊重しない独裁的な国家運営を行っている同大統領を支持するのか」というエジルへの激しい批判が、ドイツ国内で沸き上がった。また、エジルは昨年12月にも中国政府による新疆ウイグル自治区への処遇について批判する投稿をSNS上で行い、それによって中国の国営放送CCTVが同選手の所属するアーセナルの試合中継を急きょ中止するなどの波紋が広がったことがあり、こうした政治的な問題に関する言動が企業のブランドイメージを損なうと、アディダスが考えたのかもしれないというのが同紙の見立てのようだ。
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(FOOTBALL ZONE編集部)