病魔と戦うレジェンドに捧げる33年越しの妙技 メッシの感動を呼ぶ「クライフPK」

「自ら得たPKでリーガ300ゴールを諦めた」

 今からさかのぼること33年前、1982年12月5日に行われたエールディビジ、アヤックス対ヘルモント・スポルトでの驚愕のプレーが“伏線”となっている。アヤックスはPKを獲得し、バルサで選手として監督としてタイトルを積み上げたクライフ氏がキッカーを務めた場面だ。

 しかしクライフ氏はボールを置くやいなや横パスを送ると、元デンマーク代表MFイェスパー・オルセンがこれに反応してリターンパスを出し、クライフ氏が軽くゴールネットに蹴りこんだ。この衝撃のワンツーには相手GKも唖然とするばかりだった。

 クライフ氏は13日に、自身の公式サイトで「前半を終わって2-0でリードしている」と肺がんの術後経過が順調であることを発表している。スペイン地元紙「AS」は、このゴールを『メッシとスアレスの“クライフスタイル”』と名付けた。

「メッシとスアレスがクライフに捧げる。メッシは自ら得たPKでリーガ300ゴール目を自ら諦め、ルイス・スアレスのハットトリック完成のためにパスを出した」

 メッシの行動は、驚きとともに絶賛を呼んでいる。

 英衛星放送「スカイ・スポーツ」も「必見。バルサのクライフPK」と特集するなど、スペイン国外でも大きな反響を呼んでいる。現役当時を思い出して、病魔にも勝ってほしい――。現代の2大クラックなら、偉大なる先人への激励をプレーで送ったとしても何ら不思議ではない。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

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