病魔と戦うレジェンドに捧げる33年越しの妙技 メッシの感動を呼ぶ「クライフPK」

アヤックス時代にクライフが完成させた衝撃のトリックを再現

 バルセロナに所属するアルゼンチン代表FWリオネル・メッシとウルグアイ代表FWルイス・スアレスが完成させた“トリックPK”が世界で話題になっているが、現在がんで闘病中のヨハン・クライフ元監督が現役時代に成功させたオリジナルを模倣したもので、レジェンドに捧げる美技と大きな反響を呼んでいる。

 バルサは14日に行われた第24節、ホームにセルタを迎えて6-1の圧勝を飾った。メッシ、スアレス、ブラジル代表FWネイマールの「MSNトリオ」全員が得点を挙げるなど、その破壊力をまざまざと見せつけた一方で、遊び心あふれるプレーも出た。

 それは後半35分、メッシが相手マーカーに倒されてPKを獲得し、そのままペナルティスポットに立った。この時点でスコアは3-1ということもあり、背番号10には心の余裕があったに違いない。だがメッシが選んだのはパワーシュートでもコントロールショットでもなく、相手GKと守備陣をあざ笑うかのようなショートパスだった。

 そのラストパスにスアレスが真っ先に反応し、難なくゴールネットを揺らしてこの日3点目をゲットした。メッシはリーガ通算300ゴールを挙げられるチャンスだったが、スアレスのハットトリックを優先する心優しさを見せたのだ。

 カンプ・ノウに詰めかけた観客だけでなく、テレビ観戦する全世界のファンを驚愕させるPK成功となったが、この“トリック”には肺がんで闘病中のレジェンドへの思いも詰まっているという。

 

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