マンUがアンリ獲得を拒否していた!? 名将の“意外な反応”を元関係者が告白
名将ファーガソン氏の元ボディーガード、アーセナル加入前にマンU側へ打診があったと明かす
2000年代前半にアーセナルの絶対的なエースとして活躍した元フランス代表FWティエリ・アンリは、当初アーセナルではなくマンチェスター・ユナイテッドへの加入を望んでいたが、当時の監督であるサー・アレックス・ファーガソン氏が同選手をそれほど評価していなかったことから、この移籍が成立しなかったという。英紙「デイリー・メール」が報じた。
アンリの移籍を巡る舞台裏を明かしたのは、ファーガソン氏のボディーガードを務めていたネッド・ケリー氏だ。同氏が衛星放送「ビーイン・スポーツ」の番組内で明かした話によると、アンリがユベントスからアーセナルに移籍する前に、同選手の関係者からケリー氏のもとに電話がかかってきたという。電話の主は、ユナイテッドで活躍した元フランス代表FWエリック・カントナの兄ジーン・マリエ・カントナ氏で、同氏は「ネッド、アレックス(ファーガソン氏)に伝えてくれ。アンリがユナイテッドに行きたがっているんだ」とケリー氏に告げた。
ケリー氏は、横にいたファーガソン氏に対して、「ボス、ジーン・マリエ・カントナから電話がありました。アンリがうちに来たいと言っているみたいですよ」と、アンリの希望をすぐに伝えた。しかし、ファーガソン氏の反応は予想外のもので、「ダメだ、彼はいつも怪我しているじゃないか」と言ってアンリに興味を示さず、獲得に乗り出すこともなかったという。
結果的にユナイテッドではなくアーセナルを選んだアンリは、アーセン・ベンゲル監督の下でウイングからフォワードにコンバートされて才能が開花。8年の在籍期間中に公式戦375試合出場して228ゴールを記録し、4度のリーグ得点王を獲得するなどアーセナルのレジェンドとなった。
ケリー氏が前述の電話を受け取った時期は、1999年頃と思われる。当時のユナイテッドには元イングランド代表MFデイビッド・ベッカムや元ウェールズ代表MFライアン・ギグス、元イングランド代表FWアンディ・コールといったスター選手がひしめき合っていた。この中にアンリも加わっていたらユナイテッドの攻撃力がさらに増していた可能性がある一方、熾烈なポジション争いに勝てず日の目を見ずに終わっていたかもしれない。いずれにせよ、今回のケリー氏の告白は、往年の名選手のキャリアを決定づけたエピソードの一つと言えるだろう。
(FOOTBALL ZONE編集部)