ボタフォゴ監督、コロナ禍での本田の姿勢に感銘 「いろいろな問題にアンテナを張ってる」
日本で2年間過ごしたアウトゥオリ監督、日本は「素晴らしい規律正しさを持っている」
ブラジルは新型コロナウイルス感染者数が急カーブで上昇を続け、2カ月以上にわたってサッカーの全公式戦が中断している。そのなかで5月22日、元日本代表MF本田圭佑の所属する1部ボタフォゴが、パウロ・アウトゥオリ監督のオンライン記者会見を開催した。そのなかで63歳の指揮官は、ブラジルでも話題を呼んでいる、パンデミック下での本田の姿勢について語った。
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先日、ボタフォゴの元会長で、現在はサッカー実行委員を務めるカルロス・アウグスト・モンテネグロ氏がブラジルメディアに向けたインタビューで、本田が「この国や世界の問題を追っていて、現時点で良い気持ちで受け取れない」とし、これまでクラブから給料を一銭も受け取っていないことを発表。さらに本田が、クラブが必要とするなら投資などの形での援助を打診していたことも明かしていた。
2006年に鹿島アントラーズ、2015年にセレッソ大阪を率いたアウトゥオリ監督は、「私は日本で2年間暮らし、仕事をしたから、日本の人たちがこういう時にどう過ごしていくのかを知っている。彼らはこういう厳しい状況を、くぐり抜けることに慣れているんだ。素晴らしい規律正しさを持って、自分のことだけでなく、周囲の人のことも考えてね」と日本での経験を元に前置きしたうえで、本田についてこのように語った。
「本田もその通りだ。外国にいても、そして今、原始的とも言えるほど、管理がまったく成されていない国にいながら、個人的にはあの通り、健康や科学的なことを考え続けている。本田の姿勢は、驚くことじゃない。我々はすでにみんな、彼がいかにプロフェッショナルであるかを知っているからね。本当に素晴らしいよ。それは、日本人の文化によるところが大きいと思うし、彼自身の典型的なパーソナリティーによるものでもある。いつでも全体のこと、みんなのことを考えるんだ」
藤原清美
ふじわら・きよみ/2001年にリオデジャネイロへ拠点を移し、スポーツやドキュメンタリー、紀行などの分野で取材活動。特に、サッカーではブラジル代表チームや選手の取材で世界中を飛び回り、日本とブラジル両国のテレビ・執筆などで活躍している。ワールドカップ6大会取材。著書に『セレソン 人生の勝者たち 「最強集団」から学ぶ15の言葉』(ソル・メディア)『感動!ブラジルサッカー』(講談社現代新書)。YouTubeチャンネル『Planeta Kiyomi』も運営中。