夢の五輪出場へ 京川舞が“恵みの1年”に描く逆襲のシナリオ「私を選んでほしい」
ペナルティーエリア付近から自ら持っていく積極的なメンタリティーが鍵
故郷の茨城県に帰省すると、かつて所属した少年団の関係者に、「なんで舞が選ばれないんだ?」「INACではチームで一番得点を取ってるだろ?」と声をかけられるという。京川は周囲の期待を肌で感じながらも、何が足りないのか、選出されるためにはどうすればいいのか、自分なりに考えてきた。
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「なでしこの試合は毎回見てきました。INACの選手も出場していて、こういうプレーをすればいいのかというイメージはあるし、今のなでしこに足りないものに関して自分なりに思う部分はあります。そのなかで、オリンピックの延期でもう一度自分を見つめ直す時間ができました。この1年間、新たなことをするというよりは、これまでやってきた土台をしっかり固めることが大事。今まで通り、自分の長所を生かしてコツコツと丁寧に積み重ねていきたいと思います」
高倉監督は今年3月に行われた「SheBelieves Cup」のメンバー発表で、「絶対的なエースと呼べる選手が現れていないのかなと思っています」と、現有戦力について語った。同大会は守備崩壊とともに岩渕以外にゴールが生まれず、得点力不足を露呈して3連敗。決定力でアピールできれば、“ジョーカー”として名乗りを上げられる可能性はあるだろう。INACで2年連続チーム得点王の京川も、この1年間はゴールにこだわる意欲を覗かせる。
「二桁ゴール、(リーグ)得点王を取らないとチームを優勝に導けないと思います。ペナルティーエリア近くで自ら持っていくような積極性とメンタリティーとか、自分に足らない部分があるからこそ、まだ代表に一歩、二歩届かない。90分間、攻撃的なプレーをしていきたいし、高い位置で奪って攻撃につなげていくところも認めてもらいたいなと。誰よりも、なでしこで出たいという強い気持ちがあります!」
アピールの機会に飢えた京川が、夢のオリンピックを目指して再び動き出す。
※取材はビデオ会議アプリ「Zoom」を使用して実施。
(FOOTBALL ZONE編集部・小田智史 / Tomofumi Oda)