夢の五輪出場へ 京川舞が“恵みの1年”に描く逆襲のシナリオ「私を選んでほしい」
なでしこジャパンから遠ざかる日々に「メンタル的にキツかった」と胸中を吐露
2020年7月に開幕予定だった東京オリンピックは、新型コロナウイルスの感染拡大により1年の開催延期が決定した。これにより、男子・女子の日本代表は少なからずメンバーの再編が行われるだろう。当落線上の争いは激化することになるが、小さい頃からの夢だったオリンピックに“逆転”での出場を目指すのがFW京川舞(INAC神戸レオネッサ)だ。
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「サッカーの日本女子代表になって、オリンピックや国際大会で活躍して、日本の国旗をセンターポールに上げて、君が代を歌うこと」
小学校の卒業文集に綴られた「私の夢」――。これは京川が全力で追いかけてきた父親との“誓い”でもある。
2011年のU-19アジア選手権でMVPと得点王をダブル受賞した京川は、翌年2月に飛び級でなでしこジャパン(日本女子代表)に初選出。アルガルベカップでフル代表デビューを果たし、U-20女子ワールドカップ(W杯)に挑むU-20代表ではエース、なでしこジャパンではロンドン五輪のメンバー入りも期待されていた。しかし、INACでのルーキーシーズンで開幕4試合5ゴールと好スタートを切ったなか、左膝内側靱帯および半月板損傷、前十字靱帯断裂の大怪我を負い、つかみかけていた目標は手からこぼれ落ちてしまった。
度重なる故障を経て、2015年になでしこジャパン復帰。現在の高倉麻子監督の体制となって3試合目となる2016年7月のスウェーデン戦で招集されたが出番はなく、それ以降日の丸から遠ざかっている。
2018年5月に視察に来た高倉監督の目の前で2ゴールを決め、翌年はなでしこチャレンジ(日本女子代表候補選手グループ)のトレーニングキャンプに2回招集。いわゆる“ラージグループ”には入っているが、FW岩渕真奈、FW田中美南(ともにINAC)、FW菅澤優衣香(浦和レッズレディース)、FW横山久美(ワシントン・スピリット)、FW小林里歌子(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)ら“常連組”の壁を崩せずにいるのが京川の現状だ。
もし従来の日程で東京オリンピックが開催されていたら、おそらくメンバー入りは難しかっただろう。しかし、1年延期により再び挑戦する時間を手にすることになった。
「全然諦めてはいなかったですけど、メンタル的にキツかった部分はありました。正直、(メンバー入りは)どうだろうなって。私を選んでほしいという気持ちでいたので、チャンスだと思っています」