「ロマンチックな物語だけれど…」

　一方、ベンゲル監督も試合前の会見で敵将のマインドゲームを受けて立った。

「もしリーグのトップに立ったら、首位の座を失うことを考えるようになる。神経を尖らせるような状況でレスターが、どういう反応を見せるか分からない。彼らは現時点で失うものは何もない。彼らがシーズンを何位で終えようとも、よくやっていると思う。

　もちろん、それがロマンチックな物語であり、国中が後押ししていることも分かる。彼らには、あらゆる重圧をはねのけようと努力してきた経験豊富な監督がいる。しかし、選手たちをどれくらいプレッシャーから遠ざけることができるかは分からない」

　ラニエリ監督はこれまで、バレンシア、チェルシー、ユベントス、ローマ、インテルとプレッシャーのかかるビッグクラブを率いてきた経験がある。15チーム目の指揮となった戦術家のプレッシャーへの対処法は認めながらも、選手のメンタル面に及ぼす影響についてフランス人の名将は分析している。

　リーグ後半戦に入り、負けられない戦いが続く。1位と3位の直接対決は、今季の覇権争いの行方を大きく左右する一大決戦になるかもしれない。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

ゲッティイメージズ●写真　photo by Getty Images