ポルトガルの“魔術師”、W杯史に残る“超絶アウトサイド弾”に再注目 「芸術作品」
W杯公式インスタグラムがクアレスマの芸術的ゴールに再注目
1990年代以降、世界的な名アタッカーを次々と輩出してきたポルトガル代表は、2016年の欧州選手権(EURO)でついに同国史上初のメジャータイトルを獲得した。現代表の“顔”はもちろん、ユベントスFWクリスティアーノ・ロナウドだが、その絶対的エースも一目置く存在と言われるのがFWリカルド・クアレスマ(カスムパシャSK)だ。FIFAワールドカップ(W杯)公式インスタグラムは、そんな名手が2018年大会で決めたビューティフル弾に再注目。「W杯の魔法の瞬間」と称えている。
クアレスマはロナウドと同じスポルティングCPの下部組織出身で、2001年にトップデビュー。“魔術師”の異名を取る技巧派アタッカーとしてその名を轟かせ、03年から04年まで在籍したバルセロナでは思うような結果を残せなかったものの、その後はポルトやベジクタシュで長く活躍。昨季は日本代表MF香川真司とも共闘し、今季からカスムパシャでプレーしている。
ポルトガル代表としても長年活躍し、EUROには08年、12年、16年と3大会連続出場。一方、W杯出場のチャンスにはなかなか恵まれなかったものの、18年ロシアW杯で34歳にして初出場。そしてグループリーグ第3戦のイラン戦(1-1)で、ゴラッソを叩き込む。
0-0で迎えた前半45分、右サイドでボールを受けるとカットインしながら縦に抜けたMFアドリエン・シウバ(モナコ)とワンツー。ペナルティーエリア手前で相手守備陣の間隙を突くと、右足アウトフロントで巧みにカーブをかけた技ありシュートで、W杯初ゴールを奪ってみせた。
このシュートは“トリベラ”(アウトフロントキックの呼称)と呼ばれるクアレスマの必殺技で、過去にも07年のA代表初ゴールなど何度も決めてきた形。4年に一度の大舞台でも成功させた芸術弾を、W杯公式インスタグラムは「W杯の魔法の瞬間」「トリベラ:足のアウトサイドでボールを曲げる技術」と綴り、再びスポットライトを当てている。動画を見たファンも、コメント欄で「ワールドカップで最高のゴールの一つ」「芸術作品」「ゴラッソ」「トリベラの王様」と称賛。36歳となったクアレスマだが、高い技術とイマジネーションで今後も観る者を魅了するプレーを披露してくれそうだ。