宇佐美×柿谷、天才が語る“天才論” 「あのゴールは象徴」と語った衝撃の瞬間とは?
柿谷が4年前の群馬戦で決めた衝撃のヒール弾に宇佐美も驚愕
宇佐美が切り出した試合は2016年3月12日、J2第3節ザスパクサツ群馬戦(1-0)。スイスの強豪バーゼルからC大阪へ復帰したこの年、第2節水戸ホーリーホック戦(1-0)で復帰後初ゴールを挙げて迎えた一戦だった。0-0の後半14分、ブラジル人FWリカルド・サントスのヘディングでの折り返しを相手ゴール正面で受けた柿谷だったが、ゴールに背中を向けた状態。しかし、右足でトラップするやいなや左足にボールを送ると、ヒールキックで、相手GK清水慶記の虚を突いた。衝撃のヒールシュートは、ふわりとした軌道を描いてゴールネットを揺らした。
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宇佐美「ダブルヒールみたいなの、あんなのやっちゃダメ(笑)。衝撃。俺も声『えっ』て出たし、あのシーンで一番見て欲しいのは、(相手の)センターバックとGKが、曜一朗くんが点を取ってゴールセレブレーションに向かう背中を、ずっと後ろから『えーっ』て顔で追いかけていて」
柿谷「見られていたね」
宇佐美「相手がとりあえず脱帽していて。あの顔をさせられるゴールって普通の人じゃ取れない。想像を上回るレベルを、さらにもう1個、2個上回ってこないとあのリアクションってさせられへんと思うねんな。どの世界でも相手にあんなリアクションをさせるゴールって、あんまりない。あれを見た時にアイデアとして出てきて、実行しようとしたのも凄い。左足でずらして右ヒールならまだ分かるけど、右足でずらして左ヒール。利き足じゃないし。
実はあのゴールを見た後に、次の日やってみたんよ。でも、右足でずらして左ヒールは当てられへんかった。普通は当てられへんのに、あんなに飛ばしてGKのタイミングをずらして打つ。こういう天才という人を見て、『自分はそうじゃない、そうじゃない』と、思える。天才の象徴なんじゃない、あのゴールは」
柿谷が見せた技術だけではなく、相手のリアクションからも“凄さ”を感じたという宇佐美。その衝撃は忘れられないようで、表情も生き生きしていた。宇佐美“記者”の取材は止まらず、当時のヒールシュートの秘話に迫った。