「ゴールは美しかったが…」 ジダンの“伝説ボレー弾”をR・カルロスが回想「パスが酷かった」
01-02シーズンのCL決勝でジダンが決めたゴラッソにUEFA公式が再脚光
今から18年前の2002年5月15日、UEFAチャンピオンズリーグ(CL)決勝でレアル・マドリードの元フランス代表MFジネディーヌ・ジダンが左足で決めたボレーシュートは、レアルを2年ぶりの欧州王者へ導く決勝ゴールとなり、同時にCLの歴史に燦然と輝く名シーンとして今も語り継がれている。だが、伝説のゴールをアシストした元ブラジル代表DFロベルト・カルロス氏は、少し複雑な気持ちを抱いているようだ。UEFA公式サイトが伝えた。
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伝説となっているジダンの芸術的ボレーシュートが生まれたのは、01-02シーズンのCL決勝、レバークーゼン戦の前半45分だった。1-1で迎えた前半終了間際、元アルゼンチン代表MFサンティアゴ・ソラーリが、左サイドで前方に駆け上がったR・カルロスに浮き球のパスを供給。R・カルロスは相手選手と並走しながらこのボールを追いかけ、左足でピッチ中央に高い山なりの浮き球パスを送った。ボールの落下地点を素早く見極めたジダンは、シュートモーションに入り左足を一閃。相手ゴール左上隅に豪快なボレーシュートを突き刺した。
優勝を決める一撃は、CL史に残るビューティフルゴールとなったが、ジダンのチームメートだったR・カルロス氏は、このゴールに少し複雑な気持ちを抱いているようだ。
同氏はUEFA公式サイトのインタビューで、「ソラーリのパスが頭上から僕の足もとに落ちてきた時、すぐそばに相手選手がいた。あの場面でボールを止めてコントロールしていたら、彼にボールを奪われていたと思う」と当時を振り返り、「ジズー(ジダンの愛称)があそこにいたことは分からなかったよ。でも反対側のサイドを見た時に、白いシャツを着た誰かが走りこんできているのが見えたんだ」として、自身がジダンに送ったパスは狙ったものではなく、咄嗟の判断による苦し紛れのプレーだったことを認めている。
さらに同氏は、「ジズーの決めたゴールは美しかったけど、僕のパスは酷かったね」とも語り、自身のプレーには今でも不満を持っていることを窺わせている。
「あの時は周りの人たちからも、『あのパス、酷かったな』と言われたよ。『酷いパスだって? いや、完璧だっただろ。高さも問題なかったし、ジズーの右足のほうにボールが行っていたら、彼はあのゴールを決められなかったはずだ』と答えていたけどね」と当時のエピソードも明かしている。ジダンのゴールが語り継がれる限り、R・カルロス氏もあのパスについての質問を受け続けることになるのかもしれない。