宇佐美×柿谷の「天才対談」が初実現 宿敵クラブのエース2人が持つ互いの印象とは?

2012年のトゥーロン国際大会に出場したFW宇佐美貴史【写真:Getty Images】
2012年のトゥーロン国際大会に出場したFW宇佐美貴史【写真:Getty Images】

運命のいたずらか…なかなか競演が叶わなかった“天才”コンビ

 両者とも高校2年生でトップデビューを果たし、当時から将来を嘱望されてきた。だが、運命のいたずらか、なかなかJリーグのピッチでの競演が叶わない。宇佐美が高校2年生になった2009年、柿谷はJ2徳島ヴォルティスに武者修行へ。11年には宇佐美がドイツの強豪バイエルン・ミュンヘンへ移籍を果たし、翌12年に柿谷はC大阪へ復帰した。13年の途中に宇佐美は当時J2だったG大阪へ戻り昇格に貢献。だが翌14年の開幕前に負傷し、両者“初競演”の可能性があった第7節の大阪ダービー(2-2)を欠場してしまう。するとその夏、柿谷がバーゼルへ移籍。16年に当時J2だったC大阪に復帰するものの、今度は宇佐美が2度目の海外挑戦を決意し、昨夏のG大阪復帰後、ようやく“初対戦”が実現した。

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 長い年月をかけてJリーグの同じピッチに立ったものの、アカデミー時代の第一印象は忘れられないようだ。

宇佐美「ジュニアユースの時、1回ね、ガンバの練習場でガンバユース対セレッソユースのリーグ戦があって。中学校やから呼び捨てで呼んじゃうけど、『柿谷来ているらしいよ』みたいになって、中1か中2やったかな。練習場見に行ったのが、最初に生で見た時。もう、格好良かった。その当時、髪の毛長くて『染めてるやん!』みたいな(笑)。ガンバユースの人たちにすごくリスペクトがあったけど、髪をなびかせながらドリブルで切り裂く曜一朗くんの姿が格好良かった。『なんじゃこの人は』というのをネット越しで見ていた」

柿谷「たぶん、最初に『こいつえぐい』ってなったのが、豊田カップ(国際ユース大会)かな。(年代別)代表で永井龍(サンフレッチェ広島)とかと一緒に出てたよな。その時、初めて存在を知った。ガンバユースって常に上の代まで『若いのでえぐいやつおる』って聞こえてくる。俺が初めて下の代で『えぐい選手おる』って聞いたのが、貴史やった。それで、その代表の試合見て、貴史がボール持ったらずっと(前まで)いくわけよ。俺もそういうプレーしたいけど、俺とは全然タイプが違って、貴史は道が見えている。貴史のために道が開いている感じ。気持ちええやろうなあ~って思ったのが最初」

 当時、U-16日本代表として2007年の豊田国際ユース大会に出場した宇佐美は、2度目の優勝に貢献。決勝でもUAE代表を相手にゴールを挙げ、大会MVPに選出された。この活躍は柿谷の脳裏に焼き付けられたようだ。

柿谷「俺は貴史みたいに3人、4人抜かれへんから。抜き方って選手一人ひとり違うけど、俺の理想な抜き方をしていた。やのに3個ぐらい下。森本(貴幸)くん見た時以来の衝撃を受けた」

宇佐美「凄いな(笑)」

 ここまで縁がなく、同じピッチ上に立つことはほとんどなかったが、互いに天才的なプレーで強烈な印象を残していた。この忘れることのできない”出会い”は、2人にとってかけがえのない刺激になったことだろう。

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