「真のビッグクラブ」となるために ガンバ社長が語る新スタジアムの野望
サッカーの試合がない年間約300日の活用法
――ガンバは指定管理者として、スタジアムの運営を任される立場ですが、大阪府への土地代の賃料など年間5億円の経費がかかります。ガンバの公式戦の日数は限られていますが、試合がない日の活用法はどうお考えですか。
野呂「アカデミー年代のサッカー大会や地域の運動会もできますし、サッカーの試合を行わない約300日を市民の皆さんや、個人、企業、学校などに使っていただこうと思っています。VIPエリア内には個室も30ありますから、英会話やフラワーアレンジメントなどのカルチャースクールでもいいし、いろいろなことができます。会議室として使ってもらってもいい。VIPラウンジでは300人の立食パーティーができる広さがありますし、あのフロアだけでも結構使い勝手はいいはずです」
――スタジアムツアーなども行われるのでしょうか。
野呂「例えば、エキスポシティで1万円買い物をしたらスタジアムツアーは無料にするというプランも検討中です。案内役として宮本恒靖さんに来てもらった場合は5000円で、私が案内する場合は500円にしても面白いかもしれない(笑)」
――今後さまざまな形で大阪のサッカー文化に寄与しそうな新スタジアムですが、防災拠点としての役割も兼ね備えているのも意義がありますね。
野呂「スタジアム建設にあたって、吹田市から一つだけ要望があったんです。吹田市の南部には防災拠点がありますが、北部にはなかったので、このスタジアムに防災機能を持たせてください、と。ミックスゾーンを入ったら左手に倉庫があって、そこには備蓄食料があります。また、スタジアムにはトイレもシャワーもあるので、300人なら1カ月、800人なら10日は滞在ができる計算です。そしてこのスタジアムは配送機能も兼ね備えているんです。運ばれた物資を仕分けして運び出す拠点としても機能します」