「全世界に先駆けた」韓国Kリーグが開幕 コロナ禍の無観客試合、徹底した防疫対策とは?

延期されていたKリーグが無観客で開幕(写真は水原三星vs全北現代の試合)【写真:Getty Images】
延期されていたKリーグが無観客で開幕(写真は水原三星vs全北現代の試合)【写真:Getty Images】

ベンチに座る監督、スタッフ、サブ選手もマスクを着用

 新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか、韓国では8日に延期されていたKリーグが開幕した。対戦カードは全北現代モータースと水原三星ブルーウィングスの一戦。試合は後半38分、全北現代の元韓国代表FWイ・ドングクが左CKを頭で合わせて先制点を決めた。これが決勝点となり、全北が1-0で水原を下した。

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 9日と10日にもKリーグ1(1部)とKリーグ2(2部)の試合が行われたが、気になるのは、コロナ禍の中でどのように試合が行われたかだ。韓国紙「中央日報」は、「全世界に先駆けて幕を開けただけに、海外メディアも関心を持って見守った。徹底した防疫と予防に力を入れ、例年とは違う様子がグラウンドの内外では見られた」と伝えている。

 記事は「スタジアムに入場して最も目立ったのは、誰もいない観客席だった。選手の吐息が聞こえてくるような静けさの中で試合が行われた。一部のスタジアムでは、サポーターによる録音された声援と応援歌を流していた」と、今までとは異なる会場の雰囲気を伝えている。当面、Kリーグは無観客で行われることが決まっており、サポーターや観客がいないスタジアムの光景は、一般的な風景になるのかもしれない。

 また、「キックオフの流れも変わった」と伝えている。

 全北現代と水原三星の開幕戦では、選手たちはピッチのセンターサークルで、2列に並んで互いに向き合って礼をしただけだった。感染防止のために握手は禁止となっていた。

 また、両チーム合わせて22人のスターティングメンバー以外のサブの選手、監督、コーチはすべてマスクを着用。そのほか試合に出場する選手たちは、自分専用のペットボトルを使い、握手や喜びのセレモニーなど不必要な身体の接触を避けるなど、最低限の決まりを守っていた。

 また、韓国のスポーツ専門サイト「SPORTS Q」は9日に行われた仁川ユナイテッド対大邱FCの様子を伝えている。

「選手団と取材陣の動線は徹底的に分離されていた。試合と関連するすべての人員が手の消毒剤を使用した後、発熱チェックを受けた。身分証の提示と署名も必要だった。また、入場時の安全な距離を保つのは当然で、マスクとビニールの手袋も着用しなければならない」

 驚いたのはビニール手袋の着用だ。そこまで徹底しなければ、今後のリーグ運営に支障が出る可能性があるということだろう。

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金 明昱

1977年生まれ。大阪府出身の在日コリアン3世。新聞社記者、編集プロダクションなどを経てフリーに。サッカー北朝鮮代表が2010年南アフリカW杯出場を決めた後、代表チームと関係者を日本のメディアとして初めて平壌で取材することに成功し『Number』に寄稿。2011年からは女子プロゴルフの取材も開始し、日韓の女子ゴルファーと親交を深める。現在はサッカー、ゴルフを中心に週刊誌、専門誌、スポーツ専門サイトなど多媒体に執筆中。近著に『イ・ボミ 愛される力~日本人にいちばん愛される女性ゴルファーの行動哲学(メソッド)~』(光文社)。

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