ファン・ハールの冷遇に「死」を想起した孤独な守護神 「もし頭を強打したら…」

孤独な練習で感じた生命の危機

 孤独なトレーニングの日々に、生命の危機も感じたという。「もしも、僕がゴールポストに頭を強打し、脳震盪となり、自分の舌を飲み込んでしまったら…」

 メディカルスタッフもチームメートもいない。練習場での孤独からトレーニング中の事故死をイメージしたという。この最悪のシナリオを打ち明けたバルデスに対し、フェティス氏は「ポケットに携帯が入っている。電話して助けにきてもらうよ」と語ったという。

「アラン、僕はとても孤独なんだ」GKコーチにSOSを発信するほど、打ちひしがれた心境だったという。

 「氷漬け」とも称されたオランダ人指揮官の冷遇からようやく解放されたバルデス。7日に行なわれたベルギーリーグ、自身にとって初のホームゲームとなったシント戦では自らのミスが失点に直結するなど、1-2で敗戦を喫した。しかしこの悔しさも試合に出場しているからこそ味わえるもの。マンチェスターでの地獄の日々を糧にできるか否か、守護神としての真価が問われる時が来ている。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

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