騒ぎになるから“偽名”で出場も… “皇帝”ベッケンバウアーの孫、少年時代の苦労話を告白
独4部でプレーするルカ・ベッケンバウアー、独紙インタビューで祖父との関係を語る
サッカーファンであれば誰でも知っているようなレジェンドが身内にいると、余人には想像もつかないような苦労を経験することになるようだ。バイエルン・ミュンヘンで活躍した元西ドイツ代表DFフランツ・ベッケンバウアー氏の孫で、アマチュアフットボーラーのルカ・ベッケンバウアーが、ドイツ紙「フランクフルター・アルゲマイネ」とのインタビューの中で、自身が経験した少年時代のエピソードを明かしている。
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2000年8月17日生まれで19歳のルカ・ベッケンバウアーは、現在4部リーグのSVハイムシュテッテンに所属している。「ベッケンバウアーという名字は自分にとって不慣れなものじゃない」(ルカ・ベッケンバウアー)と本人は語るが、ドイツでは珍しい名字であることから、口にすればフランツ・ベッケンバウアーの親族であることはすぐにバレて騒ぎになってしまう。そのため、幼少期はサッカーの試合に出場する時に、「ルカ・フーバー」という偽名を使ってプレーしていたという。「その時の監督が僕を守ろうとして、そういうことをしていたんだと思うよ」と、ルカは当時のことを振り返っている。
しかし、名字を巡る悩みは思春期を迎えてからも続いた。ユース時代はバイエルンやシャルケ、ハノーファーといった名門の下部組織を渡り歩いたルカだが、どのクラブでも彼のあだ名は「カイザー(皇帝)」だったらしく、チームメートだけでなくアシスタントコーチからも時々、冗談交じりにそう呼ばれることがあったという。
一方、祖父フランツがルカの前でサッカーの話題を持ち出すことはなかったらしく、ルカも祖父フランツとの思い出については「シャルケの下部組織の選手寮に入る日に、『私が(1972年の)ヨーロッパ選手権で優勝したのと同じ日付だな』と言われたけど、それ以外は現役だった頃の話とかは一切聞いたことがない」と明かしている。孫に要らぬプレッシャーをかけたくないという祖父なりの思いやりだったのかもしれない。
「今ではベッケンバウアーという名字は、自分にプレッシャーではなくモチベーションを与えてくれる存在」と語るルカは、4部リーグからキャリアアップして、プロサッカー選手になるという夢を諦めていない。年齢的に夢を叶えるチャンスはまだ十分にあるだけに、祖父とのエピソードとともに名前を覚えておいたほうがいい若手ドイツ人選手の1人かもしれない。
(FOOTBALL ZONE編集部)