天才マラドーナ、「強盗」発言でW杯退場未遂 レフェリーが秘話激白「最悪の1人だ」
90年W杯決勝の主審に選ばれたコデサル氏、当時のマラドーナについて言及
ディエゴ・マラドーナといえば、ドリブルをはじめとした圧倒的な個の能力とともに、ピッチ内外でのお騒がせぶりもトレードマークで、いまだにメディアを賑わせている。そんな天才アタッカーについて、1990年のイタリア・ワールドカップ(W杯)決勝を戦う前に退場する可能性があったと当時のレフェリーが回想している。
スペイン紙「マルカ」によると、ウルグアイのラジオ局「Radio1010」の取材に答えたのはイタリアW杯決勝で主審に選ばれたエルガルド・コデサル氏だ。アルゼンチンとドイツの間で争われたファイナルだが、同審判はこのように回想する。
「彼は規律というものを理解していなかったから、私は彼を退場にしたかもしれない。アルゼンチンのペドロ・モンソンを退場させた(W杯の別の試合でジャッジした)時、彼は私に対して叫び、『FIFAの強盗だ!』と話していた。今思えば彼を退場させられることもできた。人間としては、今まで知る中で最悪の1人だ」
ここまで厳しく断罪した同審判だが、イタリアを下して決勝に進出したマラドーナが決勝の試合前の国歌斉唱に見せた行動にも目を光らせていた。スタジアム全体からブーイングを浴びていたが、その際に観客に向けて中指を突き立てていたのだという。
「それでも私は彼を落ち着かせ、君自身が何者かと説明した。彼は世界最高の選手の1人であるのに、それを理解していなかった」
このようにマラドーナの人間性を振り返りつつも、「彼は選手としてリスペクトしたいし、称賛もしたい」とプレーヤーとしての実力は大いに認めていることも口にしている。決勝では1-0とドイツの前に屈し、アルゼンチンのW杯連覇は潰える形となったが、もしマラドーナが試合前に退場していたら、これほどまでの接戦にならなかったのかもしれない。
(FOOTBALL ZONE編集部)