英記者が語る“香港のコロナ禍” Jリーグへの“解決案”を提言「シーズン進行の最良の手段」
英記者が解説する香港の現状 「SARSで学んだ教訓が生きていた」
新型コロナウイルスの影響で、世界各国のリーグが中断を余儀なくされている。未曾有の事態がサッカー界を襲っているなか、かつてアジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ(W杯)を6大会連続で取材した英国人記者マイケル・チャーチ氏が、感染拡大の制限に成功している香港の現状について説明しつつ、Jリーグの試合を消化するうえでの一つの“解決案”を提案している。
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正常な状況に一時停止ボタンを押した世界において、コロナウイルスが地球全体を覆う前と同様の生活に限りなく近い日々を送ることができている場所はほとんどない。社会は全住民が隔離され、荒廃した街全体が都市封鎖されており、恐ろしい殺人ウイルスの拡散を恐れて部屋に閉じこもる日々を過ごしている。
しかし、香港では事情が少し異なる。もちろん、誰もがマスクを着用して街を歩き回り、公務員やその他の従業員が在宅勤務を促されており、社会的距離が維持されている。学校も閉鎖されており、中国の春節が終わった後も再開していない。一方で、平凡な日常に近い状態も継続している。政府が距離感を守らせる命令をしても、店やレストランは開いており、依然として客にサービスを提供している。深刻な影響を受けているのはバーとパブのみであり、政府によって3月中旬に閉鎖された。
欧州やアメリカで状況が悪化したことで、それらの街から帰国した香港市民によってもたらされる感染の第2波が襲来。1月後半に押し寄せた第1波に続き、政府と大勢の人々によって行われていた取り組みが台無しになると怯え切っていた。香港の人々がこの感染拡大に迅速に対応し、確実に抑え込むために最初は中国と他国の国境閉鎖を施した。香港で299人が亡くなった2003年のSARSで学んだ教訓が生きていた。
マイケル・チャーチ
アジアサッカーを幅広くカバーし、25年以上ジャーナリストとして活動する英国人ジャーナリスト。アジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ6大会連続で取材。日本代表や日本サッカー界の動向も長年追っている。現在はコラムニストとしても執筆。