モウリーニョのマンU監督就任は「信じていない」 ファン・ハールが過熱する後任報道を拒絶

指揮官の辞書に「辞任」の二文字なし

「私がチームを引き継いだ時には8人から10人以上の選手が30歳以上だった。そのため、チームを入れ替える必要があった。リオ・ファーディナンドやネマニャ・ヴィディッチを移籍させた時には、みんな私が間違っていると非難したが、2人とも1年半以内に引退している」

 ファン・ハール政権ではこれまで、25選手をリストラしてきた。ドルトムントMF香川真司、レバークーゼンFWハビエル・エルナンデスら「哲学」に合わない選手を放出し、大型補強を展開してきたが、23節終了時点での獲得勝ち点37、1試合平均1.22得点はいずれもクラブのワースト記録を更新した。

「ここ2カ月は自分の人生にとって、とても厳しいものだった。妻、子ども、孫、友人も苦しんだ。私自身もそうだ。オランダ時代は傲慢すぎて、自分を疑うことができなかった。だが、自分についてのくだらない話題が作り出されている」

 そう語る指揮官は一時期、「ファンからの期待に応えることができず、失望している」と弱気な発言もしていたが、その後辞任報道を否定。1月29日のFA杯ダービー戦で3-1と勝利を収めた際には、「(サポーターは)今も退屈なマンチェスター・ユナイテッドの試合を見にきてくれる」と、ファン・ハール節を復活させている。

 “赤い悪魔”はここ数試合で、それまでの「退屈」で「守備的」なサッカーから選手たちがポジションを入れ替える流動的なサッカーにシフトしたことで、ダービー戦に続き2月2日のストーク戦でも3-0と勝利を収め、チームとしても自信を取り戻しつつある。来季限りで契約満了となるファン・ハール監督の辞書に、「辞任」の二文字はない。バルセロナ時代のアシスタントコーチであるモウリーニョ氏の今夏就任は、なんとしても認めないようだ。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

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