「日本はアジア最大の輸出国」 海外機関が国別「選手輩出数ランキング」発表、1位は?
1位ブラジルの“輸出先”で日本は3番手「ポルトガルに次いで、イタリアと日本」
現代サッカーでは世界各国のクラブが、戦力強化のためにスカウト網を張り巡らせ、各リーグのレギュレーションの中で外国人選手を獲得し、起用している。スイスのサッカー専門調査機関「CIES Football Observatory」は20日、2019年に海外でプレーしたサッカー選手の人数を出身国別で集計したランキングを発表。Jリーグにも数多く在籍するブラジル人選手が1位に輝き、日本がアジア最多の輩出国になったと伝えている。
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調査は93カ国141のリーグを対象に行われ、1位はブラジルで1600人、2位はフランスで1027人、3位がアルゼンチンで972人となった。4位イングランドは565人と大差がついており、CIESはこの上位3カ国で「世界の総外国人選手の約4分の1(22.5%)を占めた」と指摘している。
なかでも1位ブラジルの数字は突出しており、母国メディア「ガゼッタ・エスポルティーバ」はCIESが発表したランキングを基に、「ブラジルは最も選手を輸出している国」と見出しを打って特集。「国際スポーツ研究センター(CIES)の調査によると、ブラジルは海外に選手を最も輩出している国である。海外のチームに在籍するブラジル人選手は1600人いる。そのうちの74.6%は各国の1部に所属している」と説明した。さらにその行き先について、「ポルトガルがブラジル人選手の主要目的地であり、イタリア、日本がそれに続くことが明らかになった」と伝えた。
日本では1993年のJリーグ開幕以降、鹿島アントラーズの礎を築いたジーコ氏や、ジュビロ磐田でプレーした闘将ドゥンガ氏をはじめ多くのブラジル人選手がプレー。現在も名古屋グランパスのFWジョー、横浜F・マリノスのFWマルコス・ジュニオールなど各チームの主軸となる選手が多く、“助っ人外国人”として圧倒的な占有率を誇る。今回のCIESの調査では、ブラジル人の“輸出先”として日本が3番手であることが記されており、両国の関係性の深さが改めて実証された格好だ。
一方、日本は161人の選手が海外リーグでプレーしており、世界28位にランクイン。CIESは「日本はアジア最大の輸出国」と伝えた。AFC(アジアサッカー連盟)加盟国では同35位のオーストラリアが124人、同36位の韓国が121人だったことを見ても、アジアにおける日本の“輸出国”ぶりが窺える。
2010年南アフリカ・ワールドカップでの日本代表のベスト16進出を機に、MF香川真司(サラゴサ)やDF長友佑都(ガラタサライ)ら欧州進出を果たす日本人選手が増加。その流れは近年、“若年化”に拍車がかかっており、MF南野拓実(リバプール)やMF堂安律(PSV)、MF久保建英(マジョルカ)など10代や20代前半で海を渡るケースが増えている。彼ら欧州組の活躍によって日本人選手の価値が高まり、世界各国リーグへの“輸出”は今後さらに増えることになるのだろうか。