「4歩先を行っていた」 チェルシー元主将、名将モウリーニョの“人心掌握術”を回想
キャプテンを槍玉にあげて、チームを引き締めていたモウリーニョ監督
チェルシーのレジェンドである元イングランド代表DFジョン・テリー氏は、長らくクラブの主将として活躍をしてきた。クラブの伝説的なキャプテンは現役時代のある練習後に、ジョゼ・モウリーニョ監督から元イングランド代表DFギャリー・ケーヒルとともに放出されかけたという。英紙「メトロ」が報じている。
モウリーニョ監督は、レアル・マドリードの監督を務めた後の2013年にチェルシーの監督に復帰した。翌14-15シーズン開幕前の夏にスペイン代表FWジエゴ・コスタ、元スペイン代表MFセスク・ファブレガス、ブラジル代表DFフィリペ・ルイスらを獲得したチェルシーは、プレミアリーグを制覇している。成功の裏側でモウリーニョ監督は、キャプテンを槍玉にあげて、チームを引き締めていたとテリーは明かしている。
モウリーニョ監督について、肩を抱きしめてくるタイプか、それとも怒鳴りつけてくるタイプか、と問われたテリー氏は、「両方の側面があった」とインスタグラムのライブ配信で説明した。
「彼はボタンを押すべきタイミングと、そうではない時を心得ていた。些細なことにも気づくんだ。帰宅して休んでいると『今日のトレーニングでは主役だった。キャプテン、愛しているよ』とメッセージが届き、『本当かよ』と驚かされるんだ。だから、本当に良い関係を築けていたと思う。その一方で、呆然とさせられる時もあった。次の日に行くと、完全に無視されたこともあったからね」
テリー氏によると、褒められた翌日でもモウリーニョ監督は、横を通る際に無視をするように何も言わずに通り過ぎたという。そんな時は、怒らせるような返信をしてしまったのではないかとメッセージを確認して、「いや、大丈夫だ」と自分に言い聞かせていたそうだ。
テリーは続けて、「また練習が終わると、『それでこそ、ウチのキャプテンだ。そのもう一押しが大事なんだ』と伝えてきたよ」と、当時を振り返った。