南米ペルーのコロナ禍 日本人元Jリーガーが現地の“混乱”証言「生きることで精一杯」

ペルーのデポルティボ・ムニシパルでプレーする元柏レイソルのMF澤昌克【写真:デポルティボ・ムニシパル提供】
ペルーのデポルティボ・ムニシパルでプレーする元柏レイソルのMF澤昌克【写真:デポルティボ・ムニシパル提供】

元柏のMF澤昌克、ペルーの自宅で1カ月近く外出自粛生活

 南米ペルーの1部デポルティボ・ムニシパルでプレーする元柏レイソルのMF澤昌克が、新型コロナウイルスの影響で、自宅で1カ月近く外出自粛生活を強いられている。ペルーでは3月16日に非常事態宣言が発令され、澤は以後、首都リマ市内の自宅でトレーニングを継続中。ペルーの人口は約3200万人で、10日時点の感染者は5897人、死者は169人となっている。国内の移動も禁じられたことで、日本人の旅行者ら約260人が取り残され、その約半数がチャーター便でペルーから出国するなど、一部混乱もある同国の状況を電話で聞いた。

 3月16日にマルティン・ビスカラ大統領が非常事態宣言を発令してから、まもなく1カ月が経過するペルー。現在も陸、空、海すべての国境が封鎖され、州をまたぐ移動も禁じられている状態だ。外出禁止を破って逮捕された人の数は3万6000人を超える。

 国内リーグは、非常事態宣言発令の数日前に試合の延期を発表。澤が所属するムニシパルは紅白戦を行うなどし、リーグ戦再開に備えていたが、非常事態宣言発令を受け、練習もすぐに中止された。チームは今季ここまで1勝4分1敗で20チーム中12位。チーム最年長、37歳の澤は4試合(うち1試合先発)に出場していた。

「体の状態は、ここ数年ないくらい、かなり良かったんです。試合中のリズム感も良かったし、フィジカル的にもしっくりきていた。地に足が付いている感じでした」

 そんな矢先の非常事態宣言――。不要不急の外出が禁じられるなか、澤は3週間以上にわたり、自宅で黙々と1日2部練習でトレーニングに励む日々を送っている。

「家の使っていない部屋をトレーニングルームにしました。ペンキ用のバケツに水を入れて筋トレをしたり、床にコーンを置いてシャトルランをしたり。サッカーをしている息子に練習相手になってもらい、サッカーテニスやドリブル、パスの練習もしています。家の中では直線で最大15メートルくらい走れるので、6、7割のスピードに達することはできる。有酸素運動もできているし、体重も維持できています。練習が再開した時に、以前の状態ですぐに入れるように、キープしようと思っています」

今、あなたにオススメ

トレンド

ランキング