「日本はチャンスを与えてくれた」 初の外国人女性監督にスペイン紙が直撃「特別な環境」
JFL鈴鹿のマルティネス監督に母国紙がインタビュー「就任した当日、4~5人の選手たちが半笑いで…」
JFLの鈴鹿ポイントゲッターズ(元鈴鹿アンリミテッド/2020年から変更)は、昨季からスペイン人女性のミラグロス・マルティネス監督を招聘。JFL・Jリーグで初の外国人女性監督として活躍している。新型コロナウイルスの影響で開幕が延期となっている期間にスペイン大手紙のインタビューに応じ、「日本は私にスペインで拒否されたチャンスを与えてくれた」と感謝の弁を述べている。
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中国・武漢が発生源とされる新型コロナウイルスは、日本を含め、全世界で猛威を振るっている。J1とJ2の開幕戦は2月22日と23日に消化されたが、直後にリーグ中断。感染が拡大し続けているため、Jリーグは4月下旬から5月上旬に予定していた各カテゴリーの再開を白紙に戻すことも発表した。
J3は3月7日と8日に行われる予定だったが中止に。これと同様、JFLも3月15日に控えていた開幕戦を見送る形になった。そんななか、スペイン紙「マルカ」はマルティネス監督にインタビューを敢行。「日本は私にスペインで拒否されたチャンスを与えてくれた」と、日本に対して感謝の弁を述べている。
「多くの履歴書を送り、多くの面接を受けたが、全てダメでした。日本に可能性を見出した時、何も迷いませんでした。素晴らしいプロジェクトであり、特別な環境での大いなる挑戦でした。自分の決断を幸せに感じているし、一切後悔していません」
一方、昨季は女性監督としての壁も実感したようだ。「チームの全員が疑問を抱きながら私を迎え入れていたことでしょう。私が就任した当日、4~5人の選手たちが半笑いで私に挨拶したのを見て、『これは思った以上に難しそうだな…』と感じました」と振り返っている。
しかし、実際に監督としての職務をスタートすると、選手たちのマルティネス監督を見る目がすぐに変わったという。スペインならではのコミュニケーションや動画での緻密な戦術的分析を駆使して指導し、チームの強化に乗り出した。「フィジカルやテクニックに優れていることに驚いたが、戦術的な組織力や意思決定は伸ばすべき部分になるでしょう」と語っている。
就任1年目の昨季は、クラブとしてもJFL初年度ながら12位の成績を残したマルティネス監督。今季は新型コロナウイルスの影響で開幕が延期となってしまったが、再開後に見せてくれる手腕に注目したい。
(FOOTBALL ZONE編集部)