「まず日常生活があり、サッカーは二の次」 コロナ禍で思い出すオランダ英雄の言葉
欧州の終息が遅れれば…帰国を考える日本代表選手が増えても不思議はない
そして日本の政策が奏功するのならJリーグの再開も欧州に先行するはずで、逆に現在滞在する国のコロナ禍の終息があまりに遅れるなら、帰国を考える日本代表選手が増えてきても不思議はない。
かつて20世紀にリバプールの黄金期を築いたビル・シャンクリー監督は言った。
「フットボールは生死に関わる重要な問題だと言う人がいる。でも彼らは間違っている。フットボールは、もっとはるかに重要なんだ」
だが現状を見れば、それがいかに幸福な時代に発した言葉だったかが分かる。
少し前までは、森保一監督のA代表と五輪代表の兼任問題が話題になった。だが緊急事態宣言に吹き飛ばされるように、俎上から消えた。当然である。ワールドカップも五輪も、次にいつ開催できるのか、確たる見通しはどこにもない。
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(加部 究 / Kiwamu Kabe)
加部 究
かべ・きわむ/1958年生まれ。大学卒業後、スポーツ新聞社に勤めるが86年メキシコW杯を観戦するために3年で退社。その後フリーランスのスポーツライターに転身し、W杯は7回現地取材した。育成年代にも造詣が深く、多くの指導者と親交が深い。指導者、選手ら約150人にロングインタビューを実施。長男は元Jリーガーの加部未蘭。最近選手主体のボトムアップ方式で部活に取り組む堀越高校サッカー部のノンフィクション『毎日の部活が高校生活一番の宝物』(竹書房)を上梓。『日本サッカー戦記~青銅の時代から新世紀へ』『サッカー通訳戦記』『それでも「美談」になる高校サッカーの非常識』(いずれもカンゼン)、『大和魂のモダンサッカー』『サッカー移民』(ともに双葉社)、『祝祭』(小学館文庫)など著書多数。