闘莉王、YouTuberデビュー! 新型コロナ問題で“闘将流”エール「日本はコントロールできる」
昨季限りで現役を引退した闘莉王氏がYouTubeチャンネルを開設
昨季限りで現役を引退した元日本代表DF田中マルクス闘莉王氏が8日、公式YouTubeチャンネルを開設した。引退から約4カ月、19年間のプロ生活にピリオドを打った闘莉王氏は現在、故郷のブラジルで牧場など様々な事業を展開し、第二の人生をスタートさせている。今後は高校時代から22年間を過ごした日本に向けて、現地から様々な情報を発信していくことになる。この日は感染拡大している新型コロナウイルスの問題について“闘将”らしい切り口で自身の見解を示した。
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ブラジル出身の闘莉王氏は、1998年に渋谷幕張高校へ留学するため単身で日本に渡り、2001年にJ1リーグのサンフレッチェ広島でプロデビュー。03年にJ2水戸ホーリーホックに移籍し、この年、日本国籍を取得して年代別代表として日の丸を背負うようになった。04年から09年までは浦和レッズの主力として活躍し、06年にはチームをリーグ優勝に導き、自身はJリーグMVPを受賞した。2010年に移籍した名古屋グランパスでも、移籍1年目でJ1制覇。17年からはJ2京都サンガF.C.でプレーし、チームを牽引するも昨季限りで引退を決意した。
日本代表としても長く活躍し、04年アテネ五輪、10年南アフリカ・ワールドカップ(W杯)に出場。FWのような決定力を誇る攻撃的DFとしてゴールネットを何度も揺らし、DF登録選手としてはJリーグ史上初となる通算100ゴールを達成した。魂のこもったプレーや熱い言動でもファンの支持を集め、輝かしいキャリアを歩んできた“闘将”だが、現役引退とともに故郷のブラジルで第二の人生をスタート。そして、この日、公式YouTubeチャンネル「闘莉王TV」を開設し、故郷での活動や日本への思いなどを自らの言葉で発信していくことになった。そして8日に公開された“予告編”ともいえる動画では、現在世界中が揺れている新型コロナウイルスについて自身の思いを述べている。
「コロナは大変。コロナが日本に1000件で、ブラジルが1件だったとしてもブラジルの方が危ない。日本はコントロールできる。ブラジルはコントロールできない。日本人にしかできないことはいっぱいあって、自分の国ですらすごく大変なのに……台風が来たり津波が来たり、自然(災害)にすごく悩まされている国ですから。さらに外国から(ウイルス問題が)来る。日本人に試練与えすぎでしょう」
撮影時期は3月1日。この時点では5日前に同国で南米の新型コロナ感染者第一号が報告されたばかりで、ブラジルではまだ被害は拡大していなかった。だが、国内死者は現地報道で487人とレポートされ、1カ月の間に、ブラジルのコロナ禍は一気に進んでしまった。
闘莉王氏は、独自の視点で新型コロナウイルスの感染拡大の脅威に直面する現状を分析しつつ、日本へエールを送った。そして、ブラジルと比較して「(ブラジルに戻って来て)違いが分かるね。今に分かったことじゃないけど、ブラジルはまだまだ未熟すぎる。全て。青いし、遅い」と、両国の違いにも言及している。
ブラジルで「幸せな人生を過ごしている」という闘莉王氏が、牧場で馬にまたがる様子なども収められていた。ピッチ上で仲間を鼓舞し、10年W杯で日本の16強進出に貢献した闘将は、今後もYouTubeチャンネルを通して日本に熱いメッセージを届けてくれそうだ。