香川はマタの控え 3-4-1-2でファン・ハールが示した香川の適性
ディ・マリア加入で香川の序列が3番手になる可能性も
しかしファン・ハールは3バックの新システムを採用。この場合、両サイドはウイングバックとなり、香川のプレースタイルとはかけ離れたポジションになる。
となると、トップ下で起用できない場合、このフォーメーションで香川の代替ポジションはボランチが自然だ。
ところがアメリカのプレシーズン時点で香川のボランチ併用策は早くも見切られていた。
もちろん、マタが故障した場合、現在のメンバーなら香川がスペイン代表MFの代役に一番近い。だが、どうやらディ・マリアがやってきそうだ。
アルゼンチン代表MFの移籍が決定すれば、マンチェスター・Uの3-4-1-2で、レアルでは4-2-3-1の1.5列目ウインガーとしてプレーしていたディ・マリアも、その最適ポジションはトップ下ということにならないだろうか。
もしくはオランダ代表のロッペンと同じような使い方だが、それなら2トップの一角が犠牲になる。ルーニー、もしくはファン・ペルシーが先発メンバーから消えるのか。
まあこれは先週のコラムでも書いたが、開幕2戦を見た限り、マンチェスター・Uの補強ポイントは右のウイングバックとセンターバック。そして司令塔的なボランチ獲得だろう。
ディ・マリアより、トニ・クロース、ファブリガスが欲しかったはずだ。しかし、マンチェスター・Uは、「5人も6人もナンバー10がいる」とファン・ハールが嘆いたにも関わらず、約100億円を使って、今季の新システムではトップ下起用が最も有効そうなアルゼンチン人を連れて来そうだ。
となれば、香川の序列は3番目。出場機会のあった4-2-3-1の1.5列目両サイドのポジションがなくなり、欧州戦もない今季、香川の出番が激減することは確実になっている。
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森昌利●文 text by Masatoshi Mori