日本人女子セリエA選手が感じた新型コロナの脅威 イタリアの現実と日本の危機感への懸念

加藤みづほはイタリア挑戦を続けるために自宅でできることに努めている【写真:本人提供】
加藤みづほはイタリア挑戦を続けるために自宅でできることに努めている【写真:本人提供】

「自分一人の挑戦じゃないという思いが強いので、打ち切りになるまでは帰れない」

 イタリア国内における新型コロナウイルスの深刻な状況は、世界でも報じられてきた。ただ、「帰国する時に移動で自分が感染するかもしれない。そのリスクを考えたら今は帰れない」と語る加藤。クラウドファンディングで支援を受けている立場的にも、イタリアで挑戦を続けたい思いがあるという。

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「今降格圏という状況で、リーグ戦はあと6試合残っています。(2月16日の)ミラン戦後にルカ・ルーニャン監督が解任されて、キアラ・オルランド監督に代わりました。中断前のラストゲームではホームで負けた相手(エンポリ)に新体制で1-1と引き分け。上のチームと勝ち点差も詰まっていて、チームとして良い方向に行き始めていた状況でした。帰国について考えないこともないですけど、ネットで(日本行きの)飛行機をチェックしたのは1回だけかな。私には支えてくれる人たちがいて、自分一人の挑戦じゃないという思いが強いんです。今はイタリア政府やサッカー連盟でも、国内リーグの中断をさらに延長するのか、シーズン打ち切りにするのか、まだ定まっていません。正式に打ち切りとなったら考えますが、それまでは帰れないと思っています」

 イタリアで厳しい現実を目の当たりにしてきた加藤は、感染が日々拡大している日本の現状に不安を感じていると胸中を吐露する。

「イタリアは感染者の増加ペースはピークを過ぎて、危機的な状況は脱したと言われています。日本のニュースを見ていると、今の日本はまだ大丈夫だろうという雰囲気が少なからずあって、感染が拡大し始めてしまっている。当初危機感が足りなかったイタリアが直面した現実を見てきたので、日本も(イタリアと)同じ状況になってしまうのが正直怖いです」

 イタリア男子1部・サンプドリアでプレーする日本代表DF吉田麻也が、「日本の皆さん、冗談抜きで家にいた方が良いです。感染拡大を食い止めるには一人ひとりの行いにかかっています」と呼びかけたのと同様に、加藤も危機感を持つことを促しつつ、新型コロナウイルスによる混乱の一日も早い収束を願っていた。

(FOOTBALL ZONE編集部・小田智史 / Tomofumi Oda)



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